屋外広告の点検項目や周期は?資格を持った安全点検業者に依頼しよう
屋外広告が落下すると重大な事故につながります。
事故が起きた場合、設置者や所有者、管理者が責任を問われ多額の損害賠償を請求されることになります。
落下事故は日常点検と定期点検及びメンテナンスにより防ぐことが可能です。
全国の自治体では老朽化した屋外広告物の安全性を確認するために、安全点検の義務化が進んでいます。
今回は、自治体が定める安全点検の概要について詳しく説明します。
屋外広告物の点検項目と点検周期
点検には、日常的に所有者や管理者が行うものと、有資格者に依頼して定期的に行うもの、地震や台風の後に行う臨時点検などがあります。
自治体に提出する点検の報告書に記載されている点検項目・点検内容は地方自治体によって異なります。
必ず管轄の自治体のホームページ等で点検の内容を確認しておきましょう。
主な点検項目
基礎部・上部構造
・基礎部のクラック
・鉄骨のサビ・劣化 など
支持部
・ボルト、ビスのゆるみ など
取付部
・溶接部分の亀裂や破断
・コーキング亀裂や劣化 など
広告板・文字
・表示面板のズレや欠落 など
照明装置
・破損
・サビ
・配線の劣化 など
その他
屋外広告物の安全点検の実施周期
安全点検の実施周期は自治体や屋外広告物の規模によって異なりますが、多くの自治体では有資格者による安全点検は3年に1度が目安となっています。
所有者や管理者は1年に1度、ご自身で安全点検を行います。
地震や台風のあとには、自治体から屋外広告物に異常がないか臨時で点検を行なうよう指示がある場合もあるので、各自治体のルールに従ってください。
屋外広告物の安全点検を行う業者
屋外広告物のうち、規模が一定以上のものは、有資格者による点検が必要なため、専門業者に依頼することとなります。
点検の対象時期や点検方法は自治体によって異なり、また屋外広告物の種類によって依頼できる有資格者も異なります。
点検の時期を確認し、専門業者を手配する際には、早めに準備をすることをおすすめします。
複数社見積もりを取って業者を選ぶ
点検業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりをとって比較検討しましょう。
費用のほか、点検の内容が分かりやすいことが重要です。
実績のある業者であれば、自治体に提出する書類の作成や提出方法についての知識もあります。
屋外広告物の修理が必要な場合の対応方法についても相談できる業者であれば、その後の修理もスムーズに行うことができます。
屋外広告物の安全点検には資格が必要
一定規模以上の屋外広告物の点検は、有資格者が行わなければなりません。
屋外広告物の点検に必要な資格は自治体により異なり、各地方自治体の屋外広告物条例の中で定められています。
※有資格者による安全点検が必要な広告の規模は自治体により異なります。
屋外広告物の安全点検に必要な資格
・屋外広告士
・電気工事士
・ネオン工事に係る特種電気工事資格
・第1種から第3種までの電気主任技術者免状
上記以外でも、職業訓練修了者や、上記有資格者同等以上の知識を有すると認められた者でも、一定規模以上の屋外広告物安全点検を実施できるとしている自治体もあります。
「屋外広告物」とは?
常時または一定の期間継続して屋外で不特定多数に向け表示されるものをさします。
広告物に該当するもの
・屋上看板
・壁面広告
・袖看板
・建植広告、アーチ広告
広告物に該当しないもの
・はり紙、はり札等
・立看板等
・広告幕、広告旗
・アドバルーン
・一時的なのぼり旗
※「屋外広告物」の定義は、屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項で定められています。
屋外広告物の点検の義務化
2015年札幌市で起こった屋外広告物の落下事故をきっかけに、全国の地方自治体において条例の制定や改定が行われ、屋外広告物の安全点検の義務化の動きが進んでいます。
屋外広告物の安全点検は国交省が発行した「屋外広告物ガイドライン(案)」を元案として各自治体が制定しています。
屋外広告物を安全に維持するため、屋外広告物の所有者または管理者は、屋外広告物の状態を定期的に点検しなければなりません。
自治体では、屋外広告物の「設置の申請」と「安全点検の報告書」を提出するように定めています。
屋外広告物の安全点検義務を怠った場合の罰則
看板等の広告主、所有者等は義務を怠ると、1年以下の懲役や、30万~50万円以下の罰金を課せられる場合があります。
まとめ
屋外広告の安全点検は所有者や管理者の義務です。
屋外広告は定期的に自治体が定める有資格者による安全点検を行わなければなりません。
点検で重要なのは、屋外広告物を安全な状態に保つことです。
定期点検時でなくてもこまめに点検を実施し、屋外看板に異常を発見したらすぐに確認、対処をし、破損や老朽化を予防するようにしましょう。
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