アルコール除菌の作り方!エタノールを薄める場合の適切な濃度とは?
新型コロナウイルスが拡大し、アルコール除菌を使う頻度がとても増えていますよね。
「購入すると高いし、自作できないかな?」と思う方も多いのではないでしょうか。
アルコール除菌剤は、市販の商品を組み合わせ、自分で作ることができます。
今回はアルコール除菌剤の作り方を解説します♪
そもそもアルコールってどんな種類がある?
まずは、アルコール除菌剤を正しく理解しましょう。
除菌剤として一般的に良く耳にする「アルコール」ですが、普段お酒や料理酒として口にする「アルコール」と何が違うんだろう…と考えたことのある方も多いのではないでしょうか。
アルコールにはエタノール(エチルアルコール)、メタノール(メチルアルコール)、プロパノール(プロピルアルコール)などがありますが、一般的にお酒として飲まれるのはエタノールで、消毒剤として使われているのもエタノールです。
ですので、私たちが普段使っているアルコールは「エタノール(エチルアルコール)」と考えて問題ありません。
除菌・抗菌に使われるアルコールと、お酒やみりんなどに使われるアルコールの成分は同じなのです。
ちなみに、エタノールは日本語の名称では「酒精」といいます。
アルコール除菌剤のアルコール濃度は?
アルコール消毒による殺菌効果が見込めるアルコール(エタノール)濃度は、WHOが規定している通り、60~80%の範囲であれば十分とされます。
また、ノロウイルスなどの一部のウイルスに関しては、アルコール濃度が高いと良いわけでなく、アルコール溶液を「弱酸性化」することや「殺菌時間を長く」することによって殺菌効果が期待できます。
ノロウイルスには、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。
そして、アルコール除菌剤の濃度は、濃ければ濃いほど良い…という訳ではなく、例えばアルコール濃度が100%になると、細胞膜への浸透率が低くなる上に、すぐに蒸発してしまうので、ほとんど消毒効果がありません。
あらゆる菌・ウイルスに対して、殺菌(除菌・消毒)を行うという観点では、 日本薬局方が定める76.9~81.4%が必要ですが、 63%の濃度があれば、一部の菌・ウイルスを除き十分な殺菌効果が期待できます。
また濃度の高いアルコールを使い続けると、手荒れが進み菌が滞在しやすくなるため、 アルコール除菌と併用して、ハンドクリーム等でのハンドケアが大切です。
アルコール除菌剤の作り方
保管する容器は以下の素材のものがオススメです。
・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリ塩化ビニル(PVC)
容器を用意する際は、容器が何でできているかをしっかりと確認するようにしてください。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)は溶けてしまう可能性があるので使用できません。
無水エタノールとは、その名前の通り水で薄められておらず、エチルアルコールの濃度が 99.5%以上のものを指します。
水が含まれていないので、「水拭きできない電子機器」や「電化製品」の清掃などに活用されています。
ただ、アルコール濃度の高い無水エタノールは、先ほどの解説の通り、消毒効果はほとんどありません。
そして皮膚への刺激が強力なので直接手指消毒としてつける事も出来ません。
しかし、精製水(不純なものがほとんど含まれていない水)で70~80%に薄めると「消毒用エタノール」になり、アルコール消毒液として使うことができます。
精製水が用意できない場合は水道水やミネラルウォーターでも代用可能ですが、出来上がったアルコール除菌剤を保存できる時間が短くなってしまいます。
おすすめ
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用意した容器に、無水エタノールを400ml、 精製水を100ml混ぜれば完成です。
・エタノールは引火しやすいので、タバコなど火気を近づけないでください。
・作成した消毒液も火気に近づけないでください。
・揮発性の液体なので、ふたをしっかりしてください。
同じエタノールでも、作り方が違う?
エタノールには大きく分けて「でんぷんを発酵させる」方法と、「化学反応で合成させる」方法の2種類の製法があります。
アルコール除菌剤を選ぶときには、その製造法をチェックしてみるのも良いかもしれません。
でんぷんや糖質を発酵させる「発酵エタノール」は 糖蜜やサトウキビなどの糖質と、トウモロコシやサツマイモ、ジャガイモなどのでんぷん質を、酵母を用いて発酵させて作ります。
お酒などの原料のほか、食酢の原料や味噌、醤油といった食品の防腐用や香料、薬局でのアルコールなど、さまざまな用途に使われています。
水と石油から取り出されるエチレンから合成によって作られる「合成エタノール」はエチレンと水を反応させる「直接水和法」と、エチレンと硫酸を反応させて硫酸エステルを精製し、さらに水を反応させてエタノールと硫酸を精製する「関節水和法」の2種類に分けられます。
化粧品や香料、医薬品などの化学工業用製品として用いられ、食品衛生法の規定によって食品用として用いることはできません。
まとめ
コロナ禍で、突然私たちの生活のマストアイテムになったアルコール除菌剤。
今回の解説で、アルコールに少しでも詳しくなっていただけたでしょうか?
アルコール除菌剤を自作する際は火気に十分気をつけてくださいね♪