スチームアイロンの正しい使い方とは?蒸気の温度設定や対応生地、衣類スチーマーとの違い
アイロンのスチームとドライを使い分けていますか?最近の機種は両方の機能を備え、ドライモードとスチームモードを使い分けられるスチームアイロンが主流になってきました。この2つを正しく使い分けないと、せっかくアイロンをかけてもあまりシワが取れなかったり、生地を傷めてしまったりすることがあります。アイロンで洋服のお手入れを正しく行うために、それぞれの使い分け方法を紹介します。スチームモードの使い方は意外と知らないかも!?
スチームアイロンのタイプは2種類
一家に一台あると便利なアイロン。かつての主流は「ドライアイロン」でしたが、最近は蒸気を利用した「スチームアイロン」を購入する人の方が多いのではないでしょうか。
そんなスチームアイロンですが、購入するときに知っておきたいポイントが!それは「コードレスかどうか」。コードがあるかないかで、スチームアイロンの性能も使い勝手も大きく変わってきます。
コードレスタイプのアイロンの特徴
まずは「コードレスタイプ」の特徴から見ていきましょう。
メリット:手軽で自由自在に動かせる
言わずもがな、メリットはこれ。コードがないため、アイロンがけの最中、手に引っかかることはありません。手軽に動かして使えるのがやはり大きいポイントですよね!
デメリット:熱が弱い
電気を溜めて使うため、どうしても電源があるコードありタイプよりは熱が弱くなります。熱が弱いと頑固なシワは伸ばしきれないことも…!全ての衣類に対応できるわけではないという点も注意が必要です。
有線タイプのアイロンの特徴
次は「コードありの有線タイプ」です。
メリット:パワーが強い
先ほどのコードレスの反対ですね。シワが強い場合も、コードありタイプであればしっかりと伸ばせるはずです。
デメリット:稼働が制限される
当然ですが、動きの自由さは劣ってしまいますよね…。電源のあるところでしか使用できないし、アイロンをかけているときも動きに制約が出ます。機動力では間違いなく有線タイプに劣ってしまう点は注意が必要です。
スチームアイロンと衣類スチーマーとの違いとは?
スチームアイロンと似ている製品に「衣類スチーマー」があります。ここでは、スチームアイロンと衣類スチーマーとの違いや使い方のコツについて紹介します。
スチームアイロンと衣類スチーマーの機能や特徴
スチームアイロンは、一般的にいうアイロン。アイロン台の上に衣類を乗せてシワを伸ばします。衣類に直接アイロンがかけられるので、細かなシワや強いシワにも対応可能!最近では、アイロン台を使わなくてもシワを伸ばせる、衣類スチーマーのような機能もついたマルチタイプも販売されています。
衣類スチーマーはアイロン台を使わずに衣類のシワが伸ばせます。ハンガーにかけたスーツ、ワイシャツ、ズボンなどの衣類に蒸気を当ててシワを伸ばせます。全体的なシワを取るのは得意ですが、細かなシワや強いシワに対応できないこともあります。
スーツやワイシャツのちょっとしたシワを取るなら衣類スチーマーも便利!
洗濯後の衣類や細かなシワ、深いシワを取るならスチームアイロンがおすすめです。しかし、「クローゼットに入れているうちにシワがついてしまった」「軽いたたみシワを取りたい」など、ちょっとしたシワなら衣類スチーマーもおすすめ!コンパクトなものが多いので、旅行や出張にも活躍しますよ。
それでは次に、スチームアイロンの「ドライ」と「スチーム」の特徴や使い方について、細かくチェックしていきましょう。
熱と力でシワを伸ばすドライ
スチームではない、一般的なアイロンのモードがドライ。このアイロンが得意としているのは、綿・麻やポリエステルなどの合成繊維です。
ドライは、熱とアイロンをかけるときに入れる力で物理的にシワを伸ばします。その一方で、高温の熱と力でシワを伸ばすため、繊細な衣類の素材はそれに耐えられないものもあるので注意しましょう。
では、素材ごとにドライモードでアイロンをかけるときのポイントを紹介します。
綿・麻のシワを取るとき
これらの素材は伸びにくく、シワも取りにくいためドライの出番です。ただ、このシワを取るためには水分が必要です。しかし、スチームの水分では細かすぎてしまうのです。
そこで、霧吹きやアイロン用のシワ取り剤であるスムーザーなどを吹き付けてからドライでアイロンをかけると、効果が期待できるでしょう。
濡らしてから力を加えてドライで仕上げることできれいに仕上がります。綿・麻は180~210℃の高温でかけるのがおすすめです。
シルクのシワをとるとき
シルクは水分に弱いのでドライが適しています。140~160℃の中温でかけるのがおすすめ。
シルクの場合は霧吹きなどで濡らしてしまうと、シミの原因となってしまいます。
合成繊維に用いるとき
アクリル、ポリウレタン、ポリエステルをはじめとする合成繊維には、水分を含ませても特に効果はありません。そのためドライでアイロンをかけます。合成繊維は80~120℃の低温が適しています。
蒸気の力でシワを伸ばすスチーム
スチームアイロンはその名の通り蒸気でシワを伸ばすものです。熱い蒸気を当てることで生地がシワになる前の元の状態に戻るため、ふんわり感が大事なセーターやニットには最適です。また、スカートなどを短時間で仕上げるのに適しています。
高温の蒸気は、防虫・防臭、さら消臭・除菌効果も期待できるので、衣類についた匂いや菌が気になるときにもおすすめ!
そしてスチームは素早くシワを伸ばせるので、ドライの高温に耐えられない素材に効果的です。
スチームアイロンを使うのがおすすめの場面を紹介します。
セーターなどのウール素材に使うとき
ドライアイロンを直接ウール素材に当ててしまうと、毛並みが潰れてしまいます。一方のスチームアイロンは、直接かけずにアイロンを浮かした状態で蒸気を浴びせることができます。
ウール独特のふんわりとした雰囲気や形を崩すことなく、アイロンをかけることができるでしょう。
スカートやスラックス(ズボン)に折り目をつけたいとき
シワは伸ばしたいけど折り目をつけたい。そんな用途もありますよね。
スチームアイロンは、スカートやスラックスなど、折り目がつくことできれいに仕上がるアイテムに適します。折り目をつけたい部分に、当て布で包んだアイロンをかけます。
薄手の綿製品にかける
薄手の綿製品とは、少しシワがついた状態でも着られるシワ加工のされた綿シャツなど、繊細なもの。これらはスチームアイロンで、繊維を傷つけることなく、大まかなシワを取るのが最適です。
シワが気になる部分にスチームの蒸気を浴びせ、繊維を引っ張ることで伸ばします。
スチームアイロンの使い方
さて、ドライとスチームのそれぞれの得意分野がわかったところで、正しく使い方も覚えておきましょう。初めに2つ確認してほしいことがあります。
衣類のアイロン表示を確認する
アイロンをかける前に衣類のアイロン表示を確認しましょう。念のためにお伝えすると、アイロンの絵のマークの中に文字が書いてあるものがアイロン表示です。「中」や「高」であればそのままスチームを当てて大丈夫です。
当て布が必要な素材
スチームアイロンは、ハンガーに吊るしたままで大丈夫なんです!と言いたいところですが、当て布をしなければならない素材もあります。
アイロンをかけるときの当て布とは、繊細な素材に直接熱が当たって傷めないために使うもの。できれば熱に強い綿100%で、下に置いている衣類が見やすいように白い布がおすすめです。
次のような素材が当て布をしなければならない素材です。
・ウール
・カシミヤ
・シルク
・レーヨン
・ポリエステル
・Tシャツのプリント部分
・ニット
・ベルベット
当て布は、素材を傷めないようにするだけでなく、衣類に付いたわずかな皮脂汚れが熱で焦げないようにするのにも効果があります。
スチームアイロンをかける基本のやり方
それでは、スチームアイロンのかけ方を解説していきます。
・水
・(必要であれば)当て布
・(必要であれば)アイロン台
・ハンガー
スチームアイロンであれば付属の給水カップがあると思います。ついていなければ家にあるキッチン用のカップでかまいません。
種類にはよりますが、「ここまで入れましょう」と容量を示す線があるはずなので、そこまで水を入れましょう。
アイロン台に衣類を置き、その上に当て布を敷いてからスチームを当てましょう。当て布をしない場合は、直接スチームを当ててOKです。
スチームを当てたあとの衣類は水分を含んでいます。しまう前、着る前には5分ほどそのまま置いて乾かしましょう。
スチームアイロンの使用時に注意すること4つ
スチームアイロンをかけるときに注意してほしいことがいくつかあります。
耐熱温度を確認
アイロンをかける衣服に対しふさわしい温度を確認してください。これはドライにも共通することです。
素材によって耐えられる温度が決まっています。その温度を越えると生地を傷めてしまうのです。耐熱温度を確認し、温度調節もしっかり行いましょう。アイロン表示も参考にしてくださいね。
アイロンそのものが禁止のものもあるので、そういった衣服には使わないようにしてください。
水を使い切る
アイロンに入れた水は全て使い切ることが大切です。使い切れなかった場合は、そのままにせず水道に流してしまいましょう。
というのも、アイロンに水分が残ったままだと水垢が溜まって目詰まりを起こしてしまいます。アイロンを長く使い続けるためにも、気をつけたいポイントですね。
やけどに注意する
スチームアイロンは高温の蒸気が大量に出ます。スチームが肌に当たるとやけどすることもあるので、衣類を押さえる手の位置に注意しましょう。
また、周囲に蒸気が当たることもあるので、子どもやペットが突然来ないように注意しておきたいですね。
目詰まりしないよう手入れする
アイロンをかけるときはスプレー糊やシワ取りスプレーなどを使うことがありますよね。スプレー類や水垢などがアイロンのスチーム噴射口に目詰まりするとスチーム効果が弱まるので、アイロンを使った後は手入れをすることが大切です。
使い終わった後にアイロン面を濡れた布で拭き、スチーム噴射口の小さな穴を濡らした麺棒などで掃除します。最後にスチームを1度出せば、奥の汚れが放出されますよ。
面倒に感じられるかもしれませんが、このひと手間で次に使うときの使いやすさに違いが出ます。
まとめ
アイロンってかなり面倒くさいですよね。洗濯だけでも手間がかかるのに、その上アイロンなんて…。でも、やっぱり服を着るならシワのないものをパリッと着こなした方が感じもいいしキレイですよね。
せっかくのスチーム機能。使わないのはもったいないですよね。家を出る前の少しの時間でアイロンをかける習慣をつくりましょう。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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