ネズミの種類の見分け方。「家ネズミ」の3種類について詳しく解説!
ネズミは世界中のあらゆる場所で生息しており、日本には20種類以上のネズミが生息しています。ネズミは野外に生息する「野ネズミ」と人間の住む家やその周辺に生息する「家ネズミ」に大きく分けられ、「家ネズミ」は人間や家屋に被害をもたらす害獣とされています。今回は人間の生活に影響を与える「家ネズミ」の種類や特徴について解説します。
ネズミの生態
日本には10属20種以上のネズミが本州全域、南西諸島まで生息しています。
群れで行動する
数匹~10匹程度の群れで行動し、巣を中心に縄張りを張り、他のネズミの進入を排除します。
強い繁殖力
ネズミは1年を通して繁殖をします。年間5、6回の出産をし、1度に5~12匹の子供を産むため非常なスピードで数が増えていきます。
雑食
ネズミは大食で、1日に体重の4分の1~3分の1量のエサを食べます。種類により好物は異なりますが、基本的に雑食性で残飯、昆虫、穀物類や種子、肉や魚を好む種類もいます。
ほとんどが夜行性
ネズミは基本的に夜行性です。昼間はあまり動き回ることがなく、最も活発に活動するのは日没後と明け方の2回です。
固い物をかじる
ネズミは前歯が一生伸び続けるという性質を持つため、常に固いものをかじって歯を削るという習性があります。家の木の柱や壁、木製の家具、電線、ケーブル、時には寝ている赤ちゃんなど、人に被害を与えることもあります。
部屋の隅を通る
ネズミは部屋の真ん中を通らず、壁際や家具の横を通り、部屋の隅から隅へと移動するという特徴があります。また、ネズミは移動しながらおしっこをするという性質があるため、ネズミの通った場所にはネズミの体の油と尿の汚れで黒光りし、ネズミがいた痕跡としてラットサインと呼ばれる跡ができます。
3種類の家ネズミ
家ネズミは「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類です。3種類のネズミの特徴について説明します。
ドブネズミ
大きさ・体つき
体長は18~23cm、体重は280~480g程度。3種類のネズミの中で最も大きいネズミです。丸い鼻と太い胴体、クマネズミよりも小さい耳が特徴。
しっぽは頭と胴体を合わせた長さよりも短く、毛は全体的に赤褐色から灰褐色の色を帯びています。
性格・動き
性格はどう猛で、比較的動きは少ない傾向にあります。寒さに強く、泳ぎが得意ですが、高い所に上る垂直行動、綱渡りは苦手なので床下などを中心に移動します。1cmほどの小さな穴でもかじって穴を大きくして通ることがあります。
食性
雑食ですが、特に肉・魚を好物としています。
生息場所
ドブネズミは野外にも屋内にも生息し、多くは地中に穴を掘って巣を作ります。川辺に近い場所や下水溝などに生息したり、屋内であれば都心のビルの下層階や地下室など地面に近い場所に生息しています。
ジメジメとした環境を好むため、台所や厨房などの水回りの床下や、ドブや下水道にも生息します。低温にも強いため、冷凍庫に住みつく場合もあります。シチロウネズミ、ハトバネズミ、チャイロネズミなどの別称があります。
糞の特徴
大きさは1~1.5cmほどで、形は全体的に太く先がとがっているのが特徴。
クマネズミ
大きさ・体つき
体長は17~21cm、体重は225~340g程度とドブネズミよりやや小さめです。とがった鼻、大きな目と耳、細い胴体が特徴。しっぽは頭と胴体を合わせた長さよりも長く、ムチのようにしなやかに動きます。毛色は全体的に暗い青みを帯びた灰色です。
性格・動き
3種類の中でもっとも警戒心は最も強いのが特徴です。泳ぎが苦手ですが、壁を垂直に上がったり綱渡りができ、高く跳躍することもできます。
食性
植物質のものを好んで食べる傾向があり、特に米や種など雑穀を好みます。
生息場所
クマネズミは、柔らかい壁であれば鋭い歯で穴をあけて屋内に侵入することができるため、建物の内部に巣を作ることがほとんどです。もともと熱帯に住む種のため、寒さには弱く、20℃以下では繁殖できません。
暖房や空調の効いた家屋、ビルや飲食店などに生息し、繁殖を繰り返します。垂直の壁や配管のパイプ、電線などの細い足場を上ることができ、跳躍力もあるため、天井裏や屋根裏、ビルの上層階などに生息することもあります。
糞の特徴
大きさは1cm程度。細長く、動きながら排泄するため、バラバラに落ちていています。
ハツカネズミ
大きさ・体つき
体長も7~9cm、体重は14~22g程度と3種類の中で1番小さいネズミ。頭と胴体が小さく、毛色はつやがあり、体色は個体差がありますが腹部は白色です。
性格・動き
ハツカネズミは好奇心旺盛で警戒心は強くありません。小柄なため身のこなしは俊敏。泳ぎは苦手ですが、綱渡りなど細い場所を移動することができます。
食性
植物質のものを好んで食べます。また、小さな昆虫を捕食したり、新しい食べ物でも食べる傾向があります。
生息場所
ハツカネズミは野外・屋内問わず生息します。寒さは苦手ですが乾燥に強いため、水のない環境でも耐えられ、野外であれば畑や草原、室内であれば、物置小屋や天井裏、農家の倉庫などに生息していることもあります。
糞の特徴
大きさは0.6cm程度。米粒ほど小さく、両端が尖っています。
ネズミを見つけたらすぐに駆除を!
家ネズミはさまざまな菌や寄生虫を保有しているため健康・衛生面での被害を及ぼします。ネズミの排泄物による悪臭や病原菌の発生が起こることもあります。
建物や家具をかじられたりすると経済的な被害となります。また、配線をかみ切るなどの被害が起こると、停電やショートなど機能障害が起こります。
ネズミは群れで行動し、繁殖力が強いため、ネズミを見つけたらすぐに駆除しなければなりません。個人での対策は可能ですが、確実に駆除したい場合は業者に依頼をしましょう。
まとめ
人間や家屋に被害をもたらすネズミは「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類で、それぞれ特徴が異なります。ネズミが発生した場合は、どのネズミが発生しているのかをまず確認して対処しましょう。