ふすまの張り替え方を解説!DIYならおしゃれなアレンジも楽しめる
襖(ふすま)。
畳や障子と並ぶ、和のテイストには欠かせないアイテムの一つでしょう。
障子が破れやすいのは周知の事実ですが、襖も紙なので破れやすいし汚れも目立ちます。
小さいころは色々やって、襖をステッカーだらけにしたものです……
ゴホン
でも実は、襖って自分で張り替えることができるんです。
変に誤魔化す必要なんてなかったのですよ。
張り替える際に好きな壁紙を使って、ちょっとした模様替え気分を味わってもいいでしょう。
案外なんとかなるものですよ?
さあ、
貴方にもできるはず
You can Do-It-Yourself です!
ふすまには4つの種類がある!?
まずは、ふすまの種類を紹介します。ふすまには、大きく分けて4つの種類があります。
本ふすま
昔からあるふすまの種類で、現在でも一般的です。
何枚かの下貼りが必要です。
下貼りとは、ふすまの骨組みに貼られた和紙のことを指します。
チップボールふすま
チップボール襖は、本ふすまの下貼りにチップボールという厚紙を使用したものです。
基本は本ふすまと同じですね。
本ふすまや、チップボールふすまは、襖の中に骨組みがあります。
触ってみて縦横に骨があるようなら、本ふすまかチップボールふすまだとわかりますよ。
戸ふすま
骨の上に、ベニヤ板を貼っています。
和室と洋室の間仕切りに使われることが多いです。
ダンボールふすま / 発泡スチロールふすま
芯材としてダンボールや、発泡スチロールを使っています。
とても軽いのが特徴といえます。
重ね貼りはできますが、張替えはできません。
また、両面テープで貼ることはできても、のりで貼るのは難しいです。
種類によって、襖の貼り方に違いがあるので、しっかり見極めてくださいね。
必要な道具を知ろう
襖の種類がわかったところで、さっそく張り替えていきたいところですが、
その前に必要なものをチェックしましょう。
・バール
枠を取り外す時などに使います。
・水はけ
・のりはけ
はけ、と言われても普段からDIYにはあまり馴染みがないという方にはどんなものか分かりづらいかもしれませんね。
おすすめのはけは、こちらです。
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こちらは、プロ用の糊を塗るための本格的なはけ。
羊毛が使われているため、糊のなじみもいいようです。頻繁にDIYではけを使う、襖を何枚も張り替えたいという方には、おすすめです!
もう1種類は、こちら。
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こちらは、値段もお手頃で毛はプラスチック製ですがしっかりしています。
塗る部分は比較的少なめ、部分的に貼り直したいというあなたには、こちらのはけをおすすめします!
・地ベラ
余った紙を切る時に使います。
定規でも代用できますよ。
おすすめは、こちら。
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先は刃になっているので、しっかりカットすることができます。
フロアシートの張り替えなどにも、余った部分のカットに便利なため、ふすま張り替え以外のDIYにも重宝。
DIYには必須の商品です。張り替える部分が多いという方には、定規よりもこちらがおすすめ。
・水
・のり
・ふすま紙
襖紙には種類があります。壁紙も使うことができます。
・カッターナイフ
・釘
・新聞紙
ふすま紙の種類
大きく分けて2つの種類があります。
鳥の子ふすま紙と織物ふすま紙です。
それぞれ安い物から最高級のものまでさまざまです。
また、襖紙の貼り方で分けても、さまざまな紙の種類があります。
糊を使って貼る紙ばかりではありません。
アイロンを使って貼るものや、襖紙の裏に糊がすでに付いていて水で濡らすだけで貼れるものもあります。
しかし、失敗した場合などに、後から張り替えることを考えると、全面に糊付けされたタイプは、かえって使いづらい場合があります。
今回は、襖の張り替えの基本をお伝えするため、糊が付いていない紙を使った場合の方法を紹介します。
ふすまの張り替え方
さっそくふすまの張替え方を紹介します。本襖・チップボール襖の場合と戸襖・ダンボール襖・発泡スチロール襖の場合でやり方が異なります。それぞれ解説していきます!
本襖・チップボール襖の場合
まずは、本襖・チップボール襖の場合です。中に、骨組みがあるのが特徴でしたね。古くからあるタイプですから、しっかり張替えることができます。
1. 引き手を外す
まずは引き手を外します。
バールを使って外しましょう。
少し浮き上がった状態で、一度、力を緩め、元に戻します。
すると釘が浮き上がっているはずなので、浮き上がってきた釘を抜きます。
無理に外そうとすると、壊れてしまうことがあるようです。
心配な場合には、新しい引き手も用意しておくと安心です。
2. 枠を外す
襖の枠を外します。
上下の枠はバールを使って外します。
左右の枠は、バールで外す場合と、金槌で外せる場合があります。
上下の枠を外した時に、左右に釘が見えた場合には、バールで外します。
釘が見えず、金槌で外せる場合には、枠の上側を金槌で叩いて外します。
後からはめる時にわかりやすいように、外す時に印をつけておくといいですね。
3. ふすま紙を切り、水で濡らす
ふすま紙を襖の周囲より1cmほど長めにカットします。
襖は、両面同時に張り替えるのがおすすめです。
片面だけ張り替えると、裏表で紙の張り具合に差が出てしまい、歪んでしまうことがあるからです。
そのため、このとき、ふすま1枚に対して、ふすま紙を2枚用意します。
ふすま紙2枚をおもて面が向き合うようにして重ね、上にふすまを置いて切っていきます。
作業が終わったとき裏面を霧吹きで濡らすという手もあります。
そうすることで、紙が乾く際にかかる力が均一になり、歪みを防止することができます!
4. ふすま紙を濡らす
新聞紙を敷き、そこに襖紙を表を下にしてのせ、水で濡らしていきます。
用意した水はけを使い、紙全体を濡らしましょう。
水はけがない場合には、水を含ませたスポンジを使うこともできます。
5. ふすま本体のふちにのりを塗る
ふすまのフチにのりを塗ります。幅は、糊はけの横幅ほどです。
まずはふすまの上部に紙を貼り付けます。両サイドを引っ張るようにしながら左右を貼っていきます。
このとき、上から下に向かって貼っていくイメージです。
全体を一通り貼ることができたら、4つの隅にはみ出た紙をハサミで切ります。
6. 左右をひっくり返し、作業を繰り返す
先ほど紹介したように、ふすまを張り替えるときには両面同時にやるのがおすすめです。
片面しか張り替えられないという場合には、裏面は霧吹きを使って濡らしておきましょう。
7. 紙が乾いてから、枠をつける
紙が乾いたら、左右→上下の順に枠をつけます。
8. 引き手をつける
最後に引き手をつけて完成です。
引き手をつけたいところの襖紙に「*」の形に切り込みを入れます。
引き手を釘でつける時には、引き手用の釘を用意しておきましょう。
戸襖・ダンボール襖・発泡スチロール襖の場合
1. 引き手を外す
まずは引き手を外します。本襖などの場合と同じですね。
バールを使って外しましょう。
2. ふすま紙を濡らす
新聞紙の上で、ふすま紙の裏から水をつけて濡らしていきます。
3. ふすま紙に薄いのりをつける
ふすま紙に薄いのりをつけます。
襖本体にものりをつけるので、紙につけるのりは薄めで大丈夫です。
このときも、新聞紙の上で作業するようにしましょう。
4. ふすま本体にのりをつける
襖のふちから、はけの横幅分のりを塗っていきます。
この作業を「周り糊」と言います。
のりの濃さは、襖紙にぬったものよりも濃くしましょう。
5. ふすま紙を貼る
いよいよ、紙を貼る作業です。
内側から外側に向かって貼っていきます。
刷毛を使ってやさしく作業を進めましょう。
余った部分を、カッターナイフと地ベラをつかって切っていきます。
6. 紙が乾いたら、引き手をつける
「*」の形に切り込みを入れ、引き手をつけます。
カッターの刃はすぐに取り替えましょう。
糊がついている紙は切りにくいので、無理に切ろうとすると貼った紙を台無しにしてしまうことがあります。
これで襖の張り替えは完了です。
よりキレイに張り替えるポイント
各ふすまの種類別に張り替え方を説明しましたが、いかがでしたか?
正直手順も多く、気を付けるポイントも多いので難しく感じたかもしれませんね。
でも何事もはじめは下手なものですから、挑戦することは大切ですよ!
例えば、ふすまの張り替えをプロに依頼した場合、1枚あたりの相場は1000~5000円程度。
4枚張り替えると1万円を超える場合もあるので、ふところ的にも痛いですよね。
長い目で見た時に、張り替えられる技術は素晴らしいものです。
失敗するリスクをさらに下げるポイントもお伝えするので、参考にしてみてくださいね♪
湿度の高い日に行う
あれ?晴れた日の方が乾くのも早いのでは?
そんな風に感じる方も多そうですね。
実は、梅雨や夏場などの湿度の高い時期に張り替えるのがおすすめ!
雨が降った日なども、湿度が高くなるので良いですね。
なぜ湿度が高い日に?
ふすま紙を張る時に、ある程度水分を吸っていると紙が伸びてくれます。
その状態で張られたふすま紙は、乾いたときに縮みますよね?
この縮みによって、ふすま紙に付いたシワが伸びてくれるのです!
この性質を利用したいので、湿度の高い日に作業するのがおすすめなんです。
茶チリ紙を貼る
茶チリという紙は知っていますか?
その名の通り、茶色い大きな紙なのですが、これを利用するとよりきれいな仕上がりに!
値段も数百円で手に入るので、ぜひ活用してみてください。
それでは簡単に、使うメリットについても解説していきますよ♪
茶チリ紙のメリット
茶チリ紙は、ふすま紙の下に張っておく下張り用の紙になります。
主なメリットは以下の3つ。
・骨組みの凸凹が浮かぶのを防ぐ
・下地の柄、模様が透けるのを防ぐ
・下地の汚れがふすま紙に付くのを防ぐ
共通する点として、表に出てくる不具合を防ぐ働きがあります。
値段も安いので、取り入れやすい点もメリットですかね。
使う際の注意点
下張り用として使われる茶チリ紙ですが、覚えておいてほしいポイントが1つ。
他の紙でも共通することですが、しっかりと糊が乾いた状態で上張りをしましょう。
(上張り:ふすま紙を張る工程のこと)
こうすることで、仕上がりにできるシワを未然に防ぐことができます。
また、乾ききっていない状態で作業をすると位置がずれる可能性もあるので要注意です。
乾かす時のワンポイントアドバイス
乾かす時には、日の当たらない場所に置いておくのがポイント。
ゆっくりと乾かすことでシワが伸び、きれいな仕上がりに繋がります。
風通しの良い場所をあらかじめ探しておけば、置く場所にも困りませんね。
急いで日の当たる場所で乾かしたい気持ちはグッと抑えて、陰干しをしましょう♪
ふすまをおしゃれにアレンジ
おしゃれな壁紙をふすま紙のように使うことで、お部屋の模様替えができます。
ふすま紙をしっかり張り替えるより簡単にできるので、時間があまりない人にもおすすめです。
両面テープを使った方法と、糊を使った方法があります。
両面テープを使う時
まずは両面テープを使った方法から紹介します。
両面テープは、どんな襖でも使うことができますが、糊で貼るよりも少し難しいようです。やり方をしっかり確認してくださいね。
1. 引き手をはずす
まずは引き手を外します。
バールなどをつかってはずしますが、壊さないように注意してくださいね。
2. 壁紙を切る
壁紙を、襖の大きさに合わせて切っていきます。
上下に10cm余るぐらいが目安ですね。
3. 両面テープを貼る
両面テープを襖に貼っていきます。
格子状に張りますが、重なるところがないように、横は細かく両面テープをきって張りましょう。
4. 片側をマスキングテープで、軽く止める
片側をマスキングテープを使って軽く止めます。
5. マスキングテープで止めていない方から、両面テープの紙を剥がし貼る
片側ずつ壁紙を貼っていきます。
終わったらもう半分も貼りましょう。
6. 余った壁紙を切る
余った壁紙を、地ベラとカッターナイフを使って切っていきます。
7. 引き手をつける
引き手をつけたい部分に、「*」のかたちに切り込みを入れて、引き手をつけて完成です。
ボンドを使うものや、釘を使うものもあります。
糊を使う場合
両面テープを使った貼り方の次は、糊を使って壁紙を貼る方法を紹介します。
1. 引き手を外す
まずは引き手を外します。
バールなどを使って外しましょう。
2. 壁紙に糊をつける
壁紙に糊をつけます。一面にしっかり糊をつけましょう。
3. ふすまに貼る
襖に壁紙を貼っていきます。
内から外に向かって、刷毛を使って貼っていきましょう。
4. 余った紙を切る
地ベラとカッターナイフを使って余った壁紙を切っていきます。
5. フチについてしまった糊を拭き取る
襖に糊がついてしまっている場合には、スポンジなどを使って拭き取りましょう。
このとき、フチにマスキングテープを貼るとオシャレにアレンジできるのでおすすめです。
6. 引き手をつける
引き手をつけたい部分に、「*」のかたちに切り込みを入れます。引き手を押し込んで、つけて完成です。
ボンドを使うものや、釘を使うものもあります。
お気に入りの壁紙があっても、壁にそのまま貼るのは勇気が入りますよね。
ふすまを使えば、気軽に模様替えができます。
和室の雰囲気もガラッと変わるので、ぜひ試してみてください!
まとめ
まあ、「あまりにも手先が不器用だからムリー!」って方ならプロに任せた方が安心なんですがね。
それでも、自分で出来るならやってしまいたい という気持ちがあるのならチャレンジしてみては?
少し不格好でも、数日もすれば笑い話にできますしね。
自分好みの部屋、というのは思った以上に良いものです。
普段の生活に貴方の色を一滴垂らせば、もうそれは別世界になるのです。
あ、お金の話はあえて触れてないんですからね!しーっ ですよ!