
ワークブーツをプロが丸洗い!ミンクオイルとブラシで自然な輝きに!
重厚な見た目の丈夫なワークブーツ。
長く履きこむほどに革の経年変化も楽しめ、自分の足にも馴染んでいくのが特徴。自分だけの一生モノの靴として育てていけることが魅力のひとつですね!
そんなワークブーツ、気がついたらひどく汚れがたまっていませんか?
一生モノの靴だからこそ、おしゃれに長く履きこむためには、プロのクリーニングでスッキリと汚れをおとしましょう。
ムートンブーツに続き、靴磨き、修理、レザーケアの専門店である「shoeshine Chum’s Bar(シューシャイン チャムズバー)」のオーナー渡辺さんにワークブーツのクリーニングについて教えていただきました!
渡辺さんのプロフィールは、
初回の靴クリーニングの記事「汚れやすいムートンブーツ、プロのクリーニングで見違えるほどに蘇る!」をご覧ください!
ワークブーツってどんな特徴があるの?

その名の通り、労働者が作業用に履く丈夫なブーツの総称で、一般的にはソールが厚く丈夫な見た目、くるぶしまでの高さがありますね。足元にボリュームが出るので、これからコートを着る季節に大活躍。
今回クリーニングするワークブーツは、靴紐で編み上げるタイプではなく、ベルトとバックルでフィット感を調整をするエンジニアブーツ。
長年履いてきて埃っぽく、革が乾燥気味。
渡辺さん、このワークブーツのクリーニングをお願いします!
汚れ落としの流れ
まずは汚れを落とすための流れと道具を紹介します。
流れは大きくわけて4工程あります。
1.表面の汚れを落とす
2.革に水をふくませる
3.洗剤で洗う
4.乾かす
そして、プロが使う道具はこちら!

左から、
馬毛ブラシ(1)
リムーバー&布(2)
洗剤(3)
スポンジ(4)
ブラシ(5)
では、どんな風に汚れを落とすのか見てみましょう!
表面の汚れを落とす
まずは馬毛ブラシを使って表面の埃や汚れを落とします。

次に、リムーバーをつけて表面の古いクリームを落とします。三回くらいに分けてしっかりと。
ここできちんと古いクリームを落としておかないと、次に水を含ませる時、水分が入らないのです。
革に水をふくませる
たらいに水をためて、スポンジでブーツに水分をしみこませていきます。
ワークブーツの革はオイルドレザーといって油分が多い革を使っているので、普通の革靴よりも水分が含みにくいので、丁寧に行なっていきます。
洗剤で洗う
しっかりと水を含ませたら、洗剤を使って洗います。
スポンジで円を描くようにクルクルと回しながら、まんべんなく均等に。

次にブラシを使い、縫い目やしわの部分などの汚れをかき出すように洗います。
特に、アッパーとソールの間の溝は、念入りに。
もともとワークブーツは丈夫な作りなので、ガシガシと履く分、汚れもつきやすいのです。
乾かす
洗い終わったら、スポンジでさっと泡をぬぐうように流し、表面の水分を拭き取ります。

布で水分を拭いたら、風通しの良い日陰の場所でつま先が上になるように立てかけて乾かします。
仕上げの流れ
さて、汚れを落としたらこのような工程で磨いていきます。
1.形を整えてオイルを塗る
2.ブラシをかける
3.再びオイルを塗る
4.乾拭きをする
仕上げに使う道具はこちら!

左から、
馬毛ブラシ(1)
リムーバー&布(2)
クリーム状のミンクオイル(3)
固形のミンクオイル(4)
馬毛ブラシ&布(5)
オイルが二種類、どんな使い分けなのでしょうか?
磨きの流れを細かくみてみましょう。
形を整えてオイルを塗る
内側に除菌スプレーをかけ、シューキーパーをいれてシワを伸ばし形を整えます。
ベルト類は外し、馬毛ブラシで埃を払い、リムーバーで表面の汚れを落とします。
洗剤で汚れ落としは終わっていますが、乾かしている間につく汚れをここできちんと落とすのだとか。
とても丁寧な仕事ですね!
その後、クリーム状のミンクオイルを指に取り、全体的に塗っていきます。
オイルを塗るとき指を使うのは、自分の体温でオイルが溶け、革の中に入りやすくなるから。
また革の手触りで乾燥しているところがわかるので、その都度、オイルの量を判断して足していきます。プロならではの仕事ですね!
ブラシをかける
馬毛ブラシで、オイルを革に押し込むようにブラッシングします。
ここで使うのは、コシの強い馬のしっぽを使ったブラシ。しっかりと革の奥にオイルを馴染ませていきます。
特にしわの部分は、ブラシを立てて毛先を使ってシワに沿ってブラッシング。
ブラッシングの向きも大事なポイントなのです。
再びオイルを塗る
さらに、固形のミンクオイルを革にいれていきます。
2種類のオイルを使うのは、クリーム状のミンクオイルで革を柔らかくして、固形のオイルを足すことで革の中に栄養を残すため。
とくにベルト部分は忘れがちですが、乾燥しやすいところなので念入りに。
オイルを塗り終わったら、馴染むまでしばらく置いておきます。
乾拭きをする
最後に乾拭きをして革本来のツヤをだしていきます。
指3本に布を巻きつけて、しっかりと磨きます。
家庭では、このようなグローブタイプだと楽にできるそうですよ!
しばらく置いてオイルを浸透させ、再び乾拭き。
2種類のオイルをいれているので、何回も乾拭きすることで余分なオイルを拭きとりながらツヤをだしていきます。
余分なオイルが残っていると、逆に汚れを吸いつけてしまうのだそう。
しっかり乾拭きをしたら、クリーニング終了です!
クリーニングを終えて
では、ビフォーアフターをみてみましょう。
左側がクリーニング前、右側がクリーニング後です。

クリーニング前と比べると、革のツヤがよみがえりました!
ちなみに、ワークブーツの多少の傷は修復するよりも、そのまま生かすほうがワークブブーツとしての味になるのではないでしょうか、と渡辺さんは言っていました。
もちろん要望があれば修復も可能ですが、傷もまた共に育つ靴として愛着が湧くのかもしれませんね。
どんどん履き込んで、自分なりの一足に育ててほしいという願いがあるそうです。
そのためにも、日頃から革を乾燥させないようお手入れをして、年に一度はプロのクリーニングでメンテナンスをするとベストですね!
今回、クリーニングを担当してくださった
「shoeshine Chum’s Bar(シューシャイン チャムズバー)」の渡辺さん。ありがとうございました!
ぜひ「ユアマイスター」でプロの仕事を体感してください!
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