
アクリルの洗濯方法!縮むより伸びやすい!?干し方を工夫しよう
アクリル素材のセーターやニットなどのデリケートな衣類は、自宅で洗濯すると型崩れしたり縮んでしまったりする心配があります。そうした中、衣類の質感を守りながら自宅の洗濯機で洗える方法があるのです。縮みや伸びを防ぐ洗濯のコツや干し方を解説します。
目次
アクリルは「縮むよりも伸びやすい」
セーター、ニット、手袋、ニット帽、靴下、マフラー、カーディガン、手袋、カットソーなど様々な衣類に含まれているアクリル。他にも、毛布、カーペット、ぬいぐるみなど、衣類だけでなく寝具や玩具、日用雑貨に至るまで、とても幅広いジャンルで活躍しています。
そもそもアクリルとは、ナイロンやポリエステルに並ぶ3大合成繊維のひとつで、アクリロニトリルという石油が原料となっています。衣類にも使われていますが、アクリル粘土やアクリル絵の具といった画材でよく聞く方も多いかもしれません。そちらは「樹脂」なのですが原料は同じです。
アクリルの特徴は、高い弾性回復力(もとの形に戻る力)と、ふんわり柔らかな着心地。カビや害虫に強いので、何年も長く着続けられるよさもあります。さらに、シワになりにくい上に、洗濯による型崩れが少なく縮みにくいという素晴らしい特徴を秘めているのです。合成繊維の中ではもっともウール(羊毛)に近い質感で、高級感のある感じが人気ですね。
ただ一方で、吸水・吸湿性に劣り、汗でべたつきやすい、毛玉ができやすい、静電気が発生しやすいなどのデメリットも存在します。洗濯をする上では「縮むよりも伸びやすい素材」というところを意識しましょう。
アクリル素材かどうかを見分ける方法
では、あなたが持っている衣類にアクリル素材が使われているかどうかは、どのようにして見分ければいいのでしょうか?
答えは簡単。洗濯表示ラベルを見ることです。
多くの衣類には、服の内側やポケットの中などに、洗濯表示ラベルがついています。そのラベルを見ると、アクリル○%、ナイロン○%、ポリウレタン○%、毛○%と細かく書かれています。衣類を洗濯する際に、アクリルの割合がどのくらいなのか、しっかり確認しておきましょう。
アクリルは毛玉ができやすいという性質があります。洗濯機でガンガン回し続けていたら、毛玉だらけになってしまうことも。アクリルの比率が低い物は普通に洗濯でも悪くありませんが、特に注意しなければならないのはアクリル100%のセーターやストールです。そういった衣類は普通に洗濯すると伸びてしまう可能性があります。
では、どのように洗えば繊維を傷めず、きれいに汚れを落とせるのでしょうか?
アクリル素材の洗濯方法
それでは、アクリル素材の衣類の、正しい洗い方を紹介します。まだまだ寒い日が続き、ニットを着る機会は多いので、洗濯の際はこのやり方を参考にしてみてくださいね。
・洗濯ネット
・おしゃれ着用洗濯洗剤
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洗濯物を裏返しにします。汗や皮脂汚れは内側についているので、裏返して洗濯することで汚れを落としやすくなります。
裏返した洗濯物を軽く畳んだら、洗濯ネットの中に入れます。この時、ネットから衣類が飛び出さないよう、ファスナーはきちんと締めてください。
洗濯機の中に水を張る前に、ネットに入れたアクリル素材の洗濯物を洗濯機の中に入れます。
洗濯機の電源を入れたら「手洗いコース」を選択し、洗濯をスタート。流水が弱い手洗いコースなら、衣類同士の摩擦を防いで、毛玉や繊維のダメージを軽減できます。
おしゃれ着洗い用の洗濯洗剤を入れてふたを閉め、そのまま終わるまで待ちましょう。
セーターやニット、カットソーの真ん中部分で折り返して、逆さに干しましょう。伸縮性があり水分の重さで伸びやすいため、肩を引っ掛けて干すと型崩れしやすくなります。
・アクリル素材は裏返してネットに入れて洗濯機に
・洗う際はおしゃれ着洗剤で「手洗いコース」を利用
・干すときは衣類の真ん中を折り返す形で伸びるのを防ぐ
アクリル素材の衣類を手洗いする方法
ここではアクリル素材の手洗いについてのやり方を紹介します。アクリル100%の衣類など、洗濯機だと型崩れが心配な場合は優しく手洗いをしましょう。
・洗濯石鹸 or 粉洗剤
・洗面器(洗面台でも代用可能)
給湯温度は30~40℃に設定します。40℃を越えると、衣類の繊維が傷みやすくなるからです。
ゴム手袋をはめ、洗面器にお湯と粉洗剤(大さじ1カップ分)を入れてよくあわ立てます。今回は、洗面器がなかったので洗面台で洗いました。
アクリル素材の衣類を裏返しにしてからたたみ、洗面台に入れて押し洗いします。
洗った衣類をタオルでくるみ、優しく絞ります。力を入れすぎると繊維がよれてしまうので、型崩れの原因となります。
今度は洗面台にお湯(30~40℃)をため、押し当てるようにしてすすぎます。水を取り替えながら2~3回繰り返してください。
再びタオルにくるんで水気をとったら、洗濯ネットに入れます。そのまま洗濯機に入れて脱水5分。アクリルは伸びやすいので脱水はそれほど長くしないほうが良いのです。
セーターやニット、カットソーの真ん中部分を折り返し、逆さにして干しましょう。
・使うお湯は40℃以下
・洗面器で押し洗いし、すすぎも押し当てるように2、3回行う
・タオルにくるんで水気をとったら洗濯機で脱水し、伸びないように折り返して干す
温度が高いとその分衣類の繊維が傷みやすくなり、状態が悪くなってしまう場合があります。もしひどいシミが目立つ場合は、その部分にだけ酸素系漂白剤をつけると色合いをキープしたまま汚れを落としてくれます。
アクリル素材の衣類に毛玉がついたら?
アクリルは毛玉がつきやすい素材です。ではどうして毛玉ができてしまうのか、どうすれば防ぐことができるのかを詳しく解説していきましょう。
アクリル素材の毛玉の原因は摩擦
主な原因は摩擦です。どこかに擦れたり、服同士が擦れていくうちに繊維は少しずつ絡まっていきます。そして玉のようにまとまり、出来上がるのが毛玉という訳です。
なので意識してみると、袖などのよく擦れる部分にできやすいことが分かります。部屋着なんかは寝っ転がることが多いので、服全体にできてしまうのも納得です。
アクリル素材にできる毛玉の特徴
ウールなどの毛玉は、ある程度の大きさになるとちぎれてしまいます。なので毛玉ができやすい反面、いつの間にか取れているなんてことも。一方、アクリル素材は繊維が強く、毛玉になってもなかなかちぎれない特徴があります。
そのため他の素材より、毛玉が気になるのかもしれませんね。素材の特徴を知っていることで、洋服の選び方も変わってきそうです。
アクリルと毛玉は切っても切れない仲なので、どうしても避けたい方は素材の確認もお忘れなく。
毛玉を防ぐ方法
毛玉を防ぐ方法はたくさんあります。今回はその中でも簡単にできる方法をピックアップしましたので参考にしてみて下さい。
ブラッシングをする
脱いだ後は軽くブラッシングをして、毛並みを整えてあげましょう。繊維の絡まりが原因なので、ブラシなどで整えてあげることは効果的なんです。
イメージとしては髪と同じです。日々お手入れをしてあげることで絡まりづらくなり、毛玉を防いでくれます。
洗濯方法を工夫する
服同士が擦れるのは、何も着ている時だけではありません。洗濯機で洗っている時も、激しく服同士が擦れている状態です。
なので洗濯方法を改善するのも効果的。具体的には以下のことに注意しましょう。
・おしゃれぎコースなどで洗う
・洗濯ネットを活用する
・洗濯時間を短くする
アクリル素材にアイロンや乾燥機は使える?
アクリル素材と乾燥機やアイロンとの相性を解説します。
「アクリルの衣類は乾燥機で乾かしていい?」「アクリル衣類のシワはアイロンでのばしてOK?」といった疑問も洗濯法と合わせて解決しましょう。
乾燥機は使っていいの?上手な干し方は?
アクリルは熱に弱い素材として知られています。高温になる乾燥機で乾かしてしまった場合、伸びてしまうだけでなく、衣類の形が変わってしまうケースもあるため、注意が必要です。
乾燥させる時は、真ん中部分を折りたたみ干す方法以外にも“平干し”もおすすめです。ホームセンターや通販サイトで販売されている平干しネットを使えば、その上にアクリル衣類を乗せるだけで乾燥でき便利。
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「平干しネットはかさばるからちょっと…」という場合は、ピンチハンガーや洗濯物カゴを利用してみましょう。ピンチハンバーの上に寝かせるようにアクリル衣類を乗せたり、買い物かごタイプの洗濯かごを逆さにして上に置いたりすれば、楽に乾燥できます。
ピンチハンガーや洗濯物カゴを使用する場合、洗濯物がそのままの形でキープできるなら良いのですが、「腕部分や裾部分がはみ出て、垂れ下がってしまう」という場合は、その部分を折り上げ、伸びを防止してあげましょう。
アイロンがけはOK?
アクリル素材の衣類を見ていると、シワが少ないことに気付きます。綿などと比較すると、アクリル素材はシワがつきにくいため、アクリルの服を愛用している方も多いでしょう。
それでも、干し方や保管方法によっては、やはりシワができてしまいます。このシワは、アイロンで伸ばして大丈夫なのでしょうか?
結論からいうと、アクリル衣類のアイロンがけは可能です。ただし、必ず当て布を用意し、「低」に設定した上でアイロンするようにしましょう。
また、いくら低温であってもスチーム機能は使用は控えましょう。アクリルの風合いが失われ、ペラペラになってしまいます。
シワの程度がひどい場合は、スチーム機能を使う場合もありますが、衣類に直接アイロンを当てないようにしましょう。服から少し話した位置で、スチームの蒸気だけを届けるイメージで行うのが正解です。
アクリル素材の洗濯方法を理解しよう!
セーター、ニット、手袋、カットソー、靴下、ニット帽などのアクリル素材を使用した衣類は、型崩れしにくい、縮みにくい、摩擦に強いという特徴があります。
しかし、吸水性・吸湿性に弱く汗でべたつきやすい、静電気が起きやすいというデメリットも存在。メリットを最大限に引き出すためには、裏返してから洗う、洗濯ネットに入れる、真ん中で折り返して逆さに干す、などに気をつけてお手入れをしましょう。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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