今回はエタノール掃除について徹底解説！一般的に消毒用としてのイメージがあるエタノールですが、実はいろいろな場所の掃除に使えるアイテム。掃除用に作るエタノールスプレーを使用した掃除方法や、エタノールを使用した掃除の際の注意点などを紹介します。

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エタノールとは？

エタノールとはアルコールの一種であり、私たちが飲むお酒に含まれる物質で、「エチルアルコール」「酒精（しゅせい）」などとも呼ばれます。

エタノールは消毒だけでなく、掃除にもよく用いられるのですが、以下の3つの作用があるからなのです。

汚れを落とせて、除菌効果も期待できるとは一石二鳥です。

エタノールには3種類ある

エタノールには成分濃度の違いによって、種類が分かれているのをご存じですか？「無水エタノール」「エタノール」「消毒用エタノール」の3つの違いについてそれぞれ説明していきます。

無水エタノール

無水エタノールは、濃度99.5vol%以上というほぼ純粋なエタノールで、水分をほとんど含んでいません。油汚れに強いためキッチン掃除で活躍してくれます。

洗浄力はありますがすぐに蒸発してしまうので、水拭きが向いていない電化製品のお手入れなどにも適しています。ただし、殺菌する前に蒸発してしまうため、消毒には向いていません。消毒用として使いたいときは、無水エタノールに精製水を混ぜて濃度を調整すれば使用可能です。

無水エタノールを消毒用エタノールとして薄めるときに使うのが精製水。精製水とは、特殊なろ過方法や殺菌方法などを施すことで、水道水やミネラルウォーターなどからミネラルや細菌を除去・除菌したものを指します。つまり、不純なものがほとんど含まれていない水ということです。

ちなみに、水道水で無水エタノールを薄めることもできますが、カルキや不純物が混在してしまうことで品質変化を早めてしまうことがあるそうです。精製水は飲用水としては使用できませんが、水道水に含まれる塩素系の消毒剤が入っていないので、洗顔や加湿器などで使うのにも適しています。

エタノール

エタノールは、濃度95.1～96.9vol%で、清掃用や自家製化粧品の原料などさまざまな用途で使えるもの。無水エタノールと同様に、精製水で濃度調整すれば、消毒用エタノールとして利用できます。

消毒用エタノール

消毒用エタノールは、濃度が76.9～81.4vol%で、無水エタノールに比べて蒸発しにくいのが特徴。蒸発するまでに殺菌ができるので、最も消毒能力が高くなると言われています。無水エタノールに比べると、肌への刺激もそれほど強くないのもポイントです。

エタノールを使った電子機器の掃除方法

それではエタノールを使った掃除方法を紹介します。まずは電子機器の掃除方法について順番に紹介します。

エタノールでパソコンを掃除する

いつも手で触るので雑菌がたくさん繁殖しているキーボード。精密機械のため、水拭きはしない方がベターです。なので、キーボードの掃除はすぐに蒸発する無水エタノールを使いましょう。

電化製品をエタノールで掃除する時は、必ず最初に電源を切りましょう。故障の原因になってしまうことがあります。

電源を切ったら、キーボードについている大きなホコリやゴミを落とすためキーボードを裏返して軽く叩きます。

歯ブラシに無水エタノールを少量つけて、キーボードを擦りましょう。皮脂汚れや手垢を落としていきます。

キーとキーの隙間や奥は、綿棒または絵筆に無水エタノールをつけて掃除しましょう。

最後に、乾いた布に無水エタノールをつけて、全体をざっと拭いて汚れをとったら完了です。水拭きの必要はないので、そのままで問題ありません。

エタノールでリモコンを掃除する

続いてはリモコンの掃除方法です。普段よく触る場所だからこそ、清潔にしておきましょう。

電化製品をお掃除する前には、必ず電源を切りましょう。

布にエタノールを適量しみこませて、汚れを落としたい部分を中心に拭き掃除をします。ボタンの間などの細かい部分は、綿棒に無水エタノールをしみこませて拭きあげましょう。

綿棒でも入りづらい場所は、歯ブラシなどに無水エタノールをしみこませて拭いてください。

掃除が終わってもすぐに電源をオンにせずに、完全に無水エタノールが揮発してから電源を入れましょう。

エタノールで電子タバコを掃除する

電子タバコの掃除もエタノールでできます。専用の洗浄液も販売されていますが、無水エタノールでも代用が可能です。ただし、メーカー専用の洗浄液以外で故障した場合は、保証の対象外になります。あくまで自己責任で掃除しましょう。

カスが溢れるため、ティッシュを引いてからやりましょう。

無水エタノールのついた綿棒で汚れを取ります。加熱ブレードを傷つけないように注意してください。

少量の無水エタノールをつけた布、またはキッチンペーパーで拭き上げましょう。電子タバコは週1の掃除が推奨されているので、定期的に掃除しましょう。

エタノールを使ったキッチンの掃除方法

キッチン掃除では、布に無水エタノールをしみこませて、気になるところを拭いていきましょう。エタノールは油を溶かす作用をもっているので、キッチン掃除にはもってこい。

正確には、この油を落とす作用を脱脂作用といいます。ちなみに、精製水を20％入れて薄めたものをスプレーすれば消毒・殺菌効果も期待できます。

ただし、エタノールは火気厳禁なので、キッチンでの取り扱いには十分に気をつけてください。

エタノールで電子レンジを掃除する

無水エタノールをしみこませた布で、電子レンジ内部をふき取ります。油汚れなどのべたつきがある場合は、多めにエタノールをしみこませ、汚れに直接あてしばらく置きましょう。その後、乾いた布でふき取ったら掃除完了です。

エタノールで換気扇を掃除する

油分を含んだ蒸気は換気扇に吸い込まれていきます。あのベタベタはしつこく、気になるものです。そんなときは、スプレーボトルに無水エタノールを入れ、換気扇の汚れに直接吹きかけます。吹きかけたあとは、乾いた布で拭き取りましょう。

目に入ると危険なので、エタノールを軽く染み込ませたタオルで拭いてもOKです。

エタノールでガスコンロを掃除する

コンロ周辺の油汚れも、無水エタノールを使ってキレイにしましょう。スプレーボトルに無水エタノールを入れて油汚れに直接吹きかけ、乾いた布で拭き取ったら完了です。

エタノールを使ったお風呂・トイレの掃除方法

無水エタノールはカビ対策にも役立ってくれるので、トイレやお風呂にも活用していきましょう。主に利用するのは、無水エタノールの殺菌作用です。

エタノールでトイレを掃除する

知らない間に床や壁に飛び散った尿などの汚れは、菌が繁殖するもとになってしまいます。

洗剤などで普段通りのトイレのお掃除をしたあとに、無水エタノール80％と精製水20％の割合で作った消毒用エタノールをスプレーし、乾いた布で拭きましょう。エタノールの掃除スプレーを作るのは、それほど難しくないので初心者にもおすすめです。

また布にエタノールをしみこませてから拭くのもいいでしょう。最後は換気をして、しっかり乾かしてください。

エタノールでお風呂を掃除する

赤いヌメヌメしたものが、壁やシャンプーの容器に付着しているのを見かけたことはありませんか？これはロドトルラと呼ばれる菌なのですが、効果的なのがエタノールです。

方法は簡単でシンクのときと同様に、掃除のあとに水気が引いたら消毒用のエタノールをスプレーするだけ。100％のエタノールよりも、少し濃度が低い消毒用のエタノール（80%）のほうが殺菌効果は高いといわれています。

お風呂やトイレなど、とくに菌が繁殖しやすい場所は、ぜひ消毒用のエタノールを使ってみてください。

その他の無水エタノールを使った掃除方法

これまで紹介してきた電子機器や水回りの掃除以外にも、エタノールは役立ちます。ここからは、6つのおすすめ活用方法を紹介します。

エタノールで畳のカビ取り

畳などのカビ取りは、消毒用のエタノールを使うのがおすすめです。

無水エタノール80％、精製水20％の割合で混ぜ、消毒用のエタノールを作りましょう。

カビが生えた部分や気になる部分にキッチンペーパーを置き、上から消毒用エタノールを吹きかけます。

15分経ったら、乾いた布などでエタノールをかけていた部分を拭きましょう。

もう一度エタノールで拭くことで、しっかりとカビ予防ができます。畳のカビ取りについて、くわしく知りたい方はこちらの記事も見てみてください。

エタノールで窓ガラスや鏡を掃除する

窓ガラスや鏡を、水を使って掃除をすると「拭き跡」が残ってしまいます。ですが、無水エタノールは揮発性が高く、拭いたあとに水滴が残らないので、窓ガラスの掃除にもぴったりです。

掃除方法は、無水エタノールをつけたやわらかい布で窓ガラスを拭くだけ。とくに汚れが気になる箇所は、先に無水エタノールをスプレーしておくと良いでしょう。

エタノールで壁や床の落書き落とし

無水エタノールは、油性マジックペンの落書き消しに活用することもできます。やわらかい布に無水エタノールをつけて、落書き部分をふき取ったら掃除完了です。

ただし、デリケートな素材は無水エタノールと相性が悪い場合があります。落書きをしている素材を必ず確認するようにしてください。

エタノールでまな板の除菌

まな板の除菌には、カビ取りの場合と同様、消毒用のエタノールを使うのがいいでしょう。まず、無水エタノール80％と精製水20％の割合で消毒用エタノールを作りましょう。

作った消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ、まな板に直接吹きかければ除菌は完了です。まな板をしばらくお手入れしていないという方は、こちらの方法でしっかり除菌するのもおすすめです。

エタノールでメイクブラシのお手入れ

メンテナンスが難しいメイクブラシも、無水エタノールで簡単にお手入れをすることができます。

ブラシを無水エタノールにつけて、ジャバジャバ洗っていきます。汚れが出なくなるまで無水エタノールを交換してこれを繰り返しましょう。

キッチンペーパー上にブラシを置き乾燥させます。100均などに売っているメイクブラシ用のスタンドを使って乾かしてもいいでしょう。

アルコール分がしっかりと乾いたらお手入れ完了です。メイクブラシをもっとしっかり洗いたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

エタノールでシールはがし

家具や家電製品などに1度貼ってしまったシールは、はがした跡にベタベタした接着剤が残ってしまうことも…。そんなときのシールはがしで活躍してくれるのが、無水エタノールです。

シール部分に無水エタノールを直接つけて、乾いた布でこすってください。なかなか汚れが落ちない場合は、歯ブラシに無水エタノールをつけてやさしくこすると落ちやすくなります。長年放置していたシールがなかなか落ちないという方は、こちらの記事をご覧ください。

エタノールを使うときの6つの注意点

エタノールはさまざまな場所の掃除で使えることがわかりました。しかし、メリットがあればデメリットもつきものです。エタノールの取り扱いについて、注意して欲しいことをまとめたので、参考にしてみてください。

1.換気をする

無水エタノールはアルコールの濃度が高く、揮発性が高いため、閉めきった空間で使用するとアルコールに酔う可能性があります。使用中は必ず換気をするようにしましょう・

2.近くで火を使用しない

アルコール濃度が濃い無水エタノールは引火しやすい性質があります。無水アルコールは、コンロやライターなど火のそばでは絶対に使用しないようにしましょう。

3.直接触れない

無水エタノールは汚れを落とす力がある反面、脂質を溶かし、水分を奪う性質があります。直接触れると肌荒れの原因になるため、使用の際は手袋を着用するのがおすすめです。

ビニール手袋でもいいですが、穴が開いたりしないよう、できれば厚手のゴム手袋を用意しましょう。また、目線より高い位置で使用する場合は、目に入らないように十分気をつけてください。

4.ニス・発泡スチロール・革製品に使用しない

実は、無水エタノールはどんな素材に対しても有効なわけではありません。ニス、発泡スチロール、革製品などにエタノールを使用すると、変色の恐れがあるので使用は避けましょう。

5.子どもやペットが触らないように注意

小さな子どもやペットは、アルコール成分を分解する力が弱いため、なめたり触ったりしないように十分注意しましょう。

6.消毒液として使うなら比率に注意

無水エタノールは掃除には万能なのですが、実は消毒効果はほどんどないと言われています。消毒用アルコールといわれているものは、濃度が80%であり、この濃度が一番消毒効果が高いのです。

そのため、家で消毒用として利用したい場合は、無水エタノールと精製水を8：2で割ったものを使用するようにしましょう。

エタノールはどこで購入できる？

無水エタノールは薬局やドラッグストアなどで購入できます。もちろん、ネットでも購入が可能です。あらかじめ濃度を80％程度に調整してある消毒用のエタノールも販売されているので、用途に合ったものを選びましょう。

エタノールの保管方法に注意！

今回はエタノールを使用した掃除方法について解説しました。最後に保管方法について紹介します。

無水エタノールは揮発性が高いので、蓋が開いているとどんどん揮発してしまいます。保管するときは詰め替えたりせず、購入時のボトルのまま蓋をきっちり閉めて、保管してください。

また温度が上がると引火性が強まるので、直射日光を避けた涼しい場所がベストな保管場所です。このとき、火の近くや、子どもやペットの届くところに置くのは避けるようにしましょう。

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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