ポイントを投資して増やす「ポイント運用」。本記事ではポイント運用の基本からメリットやデメリット、使い方のコツまで解説します。また、PayPayや楽天などの人気サービスも紹介。ポイント運用が気になる人、これから始める人は要チェックです。

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ポイント運用とは？

ポイント運用とは、クレジットカードやスマホ決済で貯めたポイントを投資して増やすことができるサービスです。サービスによって名称が異なる場合がありますが、「ポイント運用」と呼ばれています。ここでは、ポイント運用の仕組みやポイント運用と投資の違いを解説します。

ポイント運用のシステム

ポイント運用は、ポイントを発行しているサービス会社のポイントを貯めて、証券会社にポイントを預けて運用を任せます。引き出す際には、現金ではなくポイントで返ってきます。そのため、ポイントのみが実際の市場の動きに合わせて増減する仕組みです。

ポイント運用と投資の違い

ポイント運用と似たサービスの「ポイント投資」があります。ポイント投資は、1ポイント＝1円として株式や投資信託などの金融商品の購入代金に充てるサービスのことです。

ポイント投資は証券会社の口座を開設し、金融商品を選びます。引き出す際には、売却代金を現金で受け取れます。また、ポイント投資は証券口座を開設するため、金融商品の種類も増えます。

ポイント運用はポイントのみ増減し、ポイントで返ってきます。ポイント投資は購入代金をポイントで充当し、現金で返ってくるのが大きな違いです。

ポイント運用のメリット

証券口座不要で始めやすい

通常、投資を行う際には金融商品を取り扱っている証券会社の投資用口座を開設する必要があります。口座を作る手続きが複雑だったり、開設までに時間がかかったりします。

しかし、ポイント運用はポイントを発行しているサービス会社を通して貯まったポイントで擬似的な投資を行うため、証券会社の口座を開設せずに利用を開始できるのがメリットです。

現金を使わずに投資ができる

通常の投資では現金を使って投資を行いますが、ポイント運用ではサービス会社が発行しているポイントを活用して投資を体験できます。実際の値動きに合わせてポイントのみ増減するだけなので「投資に興味がある」「投資の仕組みを知りたい」と行った初心者にも勉強になります。

少額で運用ができる

本格的な投資では最低投資額が定められています。最近では500円からできる投資も低コストな金融商品も増えています。一方でポイント運用は1ポイントから投資が行えるサービスもあり「ポイントを大切に使いたい」といった人にもおすすめです。

ポイントを有効活用できる

一般的にサービス会社が発行しているポイントには有効期限が設けられています。しかし、有効期限までにポイントを使いたいけど、使い道がないといった経験をした人も少なくないはず。ポイント運用では有効期限が近いポイントを運用することで、ポイントの有効期限が実質無制限になるケースが多くあります。せっかく貯めたポイントを失効する前に、ポイント運用で有効活用するのがおすすめです。

ポイント運用のデメリット

ポイントが減るリスクがある

ポイント運用では実際の株式や投資信託などの値動きに合わせてポイントが変動します。また、得た利益はポイントで返ってきます。

しかし、実際の株式市場などに合わせているため、値が下がれば投資したポイントより返ってくるポイントが減るリスクもあります。ただし、ポイントのみ減っていくため、現金には影響ありません。

運用の選択肢が少ない

ポイント運用を行っているサービス会社によって取り扱い商品（コース）の数は異なりますが、本格的な投資に比べて運用先の選択肢が少ないのがデメリットです。分散してポイント投資をしたいときなどには、やや不便に感じることもあります。

運用できないポイントがある

ポイントを発行しているサービス会社によって仕様は異なりますが、会社によってはポイント運用に活用できるポイントの種類が限られている場合があります。すべてのポイントを運用できるわけではないので、ポイント運用前に使いたいポイントが対象であるか確認しておくのがおすすめです。

人気ポイント運用サービス5選

ここからは、人気のポイント運用サービスを紹介します。それぞれの特徴や編集部スタッフが使ってみたコメントも掲載します。

PayPay｜ポイント運用

キャッシュレス決済サービスの「PayPay」では、貯まったPayPayポイントで擬似投資体験ができる「ポイント運用」サービスがあります。PayPayのポイント運用は、1ポイント（ビットコインコースは100ポイント）から運用が開始できます。

コースは全部で9つあり、主に値上がり分だけポイントが増える種類と値上がりすると3倍にポイントが増える種類に加えて、値下がりすると3倍でポイントが増える種類のコースに分けられます。

ポイントの引き出しはいつでも自由に行え、タイムラグがないのが大きな特徴です。利用できるのは通常のPayPayポイントのみ、期間限定ポイントは追加できません。

　　 　

スタッフA

PayPayはポイントが貯まりやすいのが特徴です。そのためポイント運用を始めるのにぴったり！ビットコインコース以外では、ポイントを24時間いつでも出し入れができるのも便利です。また、値上がりや値下がりに合わせてポイントが3倍に増えるチャレンジコースもあるので、短期間でポイントを貯めたい人にもおすすめです。

楽天｜楽天ポイント運用

大手通販サイトを運営している楽天では「楽天ポイント運用」のサービスを提供しています。最低利用ポイント数は100ポイントからとなっており、使用できるポイントは通常ポイントのみです。期間限定ポイントは利用できないので、注意しておきましょう。

コースは値動きが大きく積極的な運用を行う「アクティブコース」と、値動きが小さく安定的な「バランスコース」の2つのみです。「どんなコースがいいか迷う」「コース内容がよくわからない」といった人におすすめ！

運用サービスから引き出す際には1ポイントから交換可能です。引き出したポイントは通常ポイントに加算され、お買い物などに活用できます。サービスの手数料は無料なのも特徴です。

au｜au PAYポイント運用 

大手通信会社のauではPontaポイントを使ったポイント運用が利用できます。最低利用ポイント数は100ポイントからとなっており、引き出す際には1ポイントから交換が可能です。

24時間いつでも引き出すことができ、手数料が無料なのもうれしい点。引き出したポイントは通常のPontaポイントに加算され、各種サービスやお買い物などに利用ができます。

ポイント運用のコースは3つあり、安定的な運用を行う「バランスコース」、成長著しいインド市場に投資してリターンを狙う「インドチャレンジコース」、積極的な運用を行い高いリターンを目指す「米国チャレンジコース」があります。

auのサービスを利用している人は、ポイントが貯まりやすく使いやすいため、auユーザーにおすすめのポイント運用です。

ドコモ｜dポイント投資

「dポイント投資」は、NTTドコモが提供するポイント運用です。最低利用ポイント数は1ポイントと少額から始められるのが特徴の一つ。運用で増えたdポイントは通常dポイントとして加算され、各種サービスやショッピングなどで利用が可能です。

運用コースは大きく分けて「おまかせ運用」と「テーマ運用」の2種類があります。おまかせ運用では、株式への比重を高くして高いリターンを目指す「アクティブコース」と債券の比重を高くして安定したリターンを目指す「バランスコース」の2コースがあります。

テーマ運用はさまざまなコースが用意されており、テーマに添った上場投資信託などの値動きに連動しています。例えば、金（ゴールド）やSDGs／ESG、ヘルスケア、クリーン・エネルギーなど自分でテーマを選べます。

おまかせ運用は自動で運用してくれるため、チャートや値動きを自分で判断しなくてもいいのがメリット。テーマ運用は自分で投資先を選びたい人や、市場の動きを学びたい人にとってメリットが多い運用方法です。

三井住友カード｜Vポイント運用

「Vポイント運用」は三井住友系が発行しているVポイントを活用して運用ができるサービスです。Vポイントは三井住友銀行やカードなどを利用する人にとって貯めやすいため、三井住友系サービスを使っている人にはVポイント運用がおすすめです。

また、Vポイント運用で得たポイントは、引き出してお買い物に利用したり、電子マネーにチャージして使うことが可能です。

Vポイントはいつでも追加することが可能で、スポット追加と自動追加の2通りあります。スポット追加の場合100ポイントから、自動追加の場合1ポイントから運用を始められます。手数料はスポット追加の場合だとポイント数の1.0%相当が発生し、自動追加では手数料はかかりません。

運用コースは主に3つあります。全世界の株価に連動し安定した運用ができる「全世界コース」、アメリカで高い成長を期待されているテック企業と連動して高い利益を目指す「米国テックコース」、日本の上場企業の株価に連動した「日本株コース」です。

　　 　

スタッフA

Vポイントは三井住友銀行やカードを利用していると貯まりやすいので、運用に回してポイントを増やすのもおすすめです。また、VポイントはVポイントPAYにチャージすると電子マネーとして使えるため、用途も幅広いです。運用コースは比較的安定したものが揃えられているので、ポイント運用初心者でも扱いやすいと思います。

ポイント運用のコツ

少額から始める

ポイント運用では現金は減りませんが、実際の市場に合わせて増減するため、運用開始時よりポイント数が減ることがあります。ポイントを大切に使うためにも、まずは少額から追加して市場の動きを読めるようになってきたら、さらに追加していくのがおすすめです。

中長期的な視点で運用する

ポイントを追加したからと言って、すぐにポイントが増えるわけではありません。情勢や市場に合わせてポイントは増減します。値の上がり下がりに合わせてポイントを交換するのではなく、ある程度放ったらかしにして中長期的な視点で運用するようにしましょう。

投資先は分散させる

ポイントを効率的に増やしたいなら、ポイントを追加する投資先を分散させるのがおすすめです。ポイントを分散させることで、ポイントが大幅に減るリスクも防ぎ、安定した運用を行えるようになります。

ポイントが増えているタイミングで引き出す

ポイントの増減に合わせて都度引き出すのではなく、中長期的視点でポイントが増えたタイミングで引き出すのがおすすめです。頻繁にポイントを引き出すと手数料がかさむ場合があります。総合的にポイントが増えたタイミングを見計らって引き出すようにしましょう。

ポイント運用を利用したら確定申告が必要？

ポイントは「法人から消費者への贈与」となるため、所得区分において「一時所得」となります。また、現金による利益が発生していないため、原則として確定申告は不要です。ただし、キャッシュレス化が進むと、ポイント運用で得た利益について新たなルールが設けられる可能性はあります。

投資初心者にはポイント運用がおすすめ！

ポイント運用は擬似的な投資の体験ができるサービスです。ポイントのみが増減するため、現金には影響がないのがメリットでもあります。本格的な投資を始める前に市場の動きを勉強したい人や、ポイントのみ増やしたい人におすすめです。また、本格的な投資の手続きや確定申告が面倒と感じる人は、ポイント運用でポイントを増やしてお買い物やサービス料金に充当するのも良いでしょう。

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