クロゴキブリは大きくてツヤのある黒。チャバネゴキブリとの見分け方
家の中で黒光りするゴキブリが出現するとゾッとしてしまいますね。ゴキブリは種類が多く、日本だけでも50種類以上のゴキブリが確認されています。その中で家の中でよく見かける大きく黒光りするゴキブリは「クロゴキブリ」です。今回はこのクロゴキブリの生態と、他のゴキブリとの違い、クロゴキブリ対策について解説します。
クロゴキブリの生態
特徴
一般的な成虫の大きさは25~30mm。40mmほどのサイズに成長するものもいます。黒くツヤ光りする色が特徴です。
生息場所
クロゴキブリは下水や植え込み下、ゴミ置き場など屋外に住み着き、基本的に建物内に住みつくことはありません。ただし、水気のある所に巣を作るため、建物内でも床下で水漏れをしていて水たまりができているところなどには巣を作る可能性があります。
配管や家の扉の隙間から侵入して、エサを求めてキッチンや浴室などに現れます。スーパーや飲食店、食品加工工場などエサの多い場所にも出没しがちです。
活動時期
クロゴキブリは寒さに強く、冬の間は越冬休眠(エサを食べず、発育もしない状態)し、ダンボールの隙間やベランダや庭などの植木鉢の下などに潜んで春まで過ごします。成虫の活動が活発になるのは5~10月。一般に5~7月に羽化し、10月頃まで産卵を続けます。
繁殖力
産卵回数は約17回。ゴキブリは交尾をしなくても、メスだけで卵を産むことができる「単為生殖」が可能です。クロゴキブリは、1つの卵鞘(らんしょう)という殻の中に、1度に20~30個程度の卵を産みます。卵期間が31~47日、幼虫期間が84~112日、成虫の寿命が4~5ヶ月です。
チャバネゴキブリとの違い
クロゴキブリと並んで家でよく見かけるのがチャバネゴキブリですが、その特徴は大きく異なります。
クロゴキブリは寒さに強い
クロゴキブリは寒さに強く、冬でも屋外で生息することができるのに対し、チャバネゴキブリは寒さに弱く、飲食店や工場などにある業務用冷蔵庫や厨房器の裏、大型機器類の周りなど生息しています。
クロゴキブリは屋外に生息
クロゴキブリは一般的に屋外から家の中へと侵入してくるのに対し、チャバネゴキブリは寒さに弱く、日本では屋内で繁殖・越冬をします。
クロゴキブリは産卵回数が多い
クロゴキブリが一生のうちに産卵する回数はおよそ10回。卵鞘に入っている卵の数は1回あたり10~20個前後です。チャバネゴキブリは、一生のうちに産卵する回数は4~8回ですが、1回の産卵で産みつける卵鞘には20~40個前後の卵が入っています。
クロゴキブリは寿命が長い
クロゴキブリの卵から成虫になるまでの期間は長いもので3年程。一方チャバネゴキブリは発育期間が短く、寿命は4~8ヵ月前後と短命です。
クロゴキブリの被害
不快感
ゴキブリはその見た目から「不快害虫」に分類されます。カサカサと音を立てながら動く姿に不快感や恐怖を感じる人も多くいます。
衛生被害
ゴキブリは病原体や有害物質などをもたらす「衛生害虫」です。下水やゴミ置き場などで生活するクロゴキブリは雑菌だらけです。
消化器系感染症の病原細菌や、ポリオウイルス、赤痢アメーバなどの重大な病気をもたらす病原菌を持っている可能性もあり、体内にいる寄生虫が媒介されることもあります。
クロゴキブリは雑食性のため、人間が食べるような食品をはじめとしてダンボールや木材、革製品などをエサとします。クロゴキブリが触れたものに人間が接触することで人間の健康を害する病気に感染する恐れがあります。
食品への異物混入
クロゴキブリはエサを求めて食材などに集まってきます。食品工場などに発生すると、食品への異物として誤って混入してしまうリスクがあります。発生状況によっては行政による営業停止処分を招く可能性があり、経済損失につながる恐れもあります。
風評被害
飲食店やスーパーなどにゴキブリが現れ、お客さんの目の前に現れると、目撃した人たちの口コミなどによって風評被害が広がるケースもあります。風評被害が広がると経済的に大きな損失につながる恐れがあります。
フンや死骸による被害
ゴキブリのフンには、集合フェロモンと呼ばれる特殊な物質が含まれており、他のゴキブリを呼び寄せる性質があります。また、強いニオイで部屋が臭くなる、「フン害」に見舞われることもあります。クロゴキブリのフンや死骸やフンも有害で、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。
クロゴキブリ対策
害虫であるクロゴキブリはできるだけ見ずに過ごしたいですね。クロゴキブリがやってこない環境を作ることが大切です。
水回りを常に清潔にする
クロゴキブリは雑食性で多湿な場所を好みます。クロゴキブリのエサとなる食べかす、油、ホコリや髪の毛などがないように清潔に保つことが重要です。
特に水があり湿度のたまりやすいキッチンや浴室などは注意をしましょう。しっかりと乾燥させることも重要です。
クロゴキブリの住処を作らない
暗くて保温性の高い空間はクロゴキブリにとって好環境です。ダンボールの中、倉庫内、電化製品の内部などもクロゴキブリの住処となります。ダンボールはすぐに撤去する、倉庫や家電製品の内側を衛生的に保つなどの対策をしましょう。
まとめ
大きく黒光りするクロゴキブリは見た目にも不快な存在です。クロゴキブリを家の中に侵入させないためには、エサとなるものを置かないように、常に清潔さを保つことが重要です。
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