
椿の剪定方法を解説!どこを切る?剪定しないとどうなる?失敗しない方法も
椿の花をより良い環境で育てるための剪定方法を紹介します。真冬に美しく咲く椿は、昔からお庭の花として茶人や武士に愛されてきました。日本らしさを象徴する花として海外でも知られていますよね。そんな椿を剪定のやり方、失敗しづらい方法を徹底解説します。
本記事内ではアフィリエイト広告を利用しています
目次
椿は剪定しないとどうなるの?
剪定とは、植木の枝を切ることで形を整えたり風通しを良くしたりする庭木のお手入れのことを指します。
椿に剪定が必要な理由は、以下の2点です。
・風通しをよくするため
・形を保つため
成長段階で枝や葉が増えると、風通しが悪くなり、蒸れてしまいます。このことが虫や病気が発生する原因となって椿が傷んでしまう可能性が。それゆえ、通気性を良くする必要があります。
また、椿の成長を放置すると、大きくなりすぎてお手入れがしにくくなったり、栄養が行き届かなかったりして成長の妨げになることも。適切な管理をして毎年美しい花を咲かせるために、椿には剪定が必要というわけです。
ちなみに、剪定には大きく分けて2つの種類があります。
・透かし剪定:不要な枝を付け根から切って、全体的な枝の量を減らして風通しをよくするもの。
・切り戻し剪定:枝を途中から切って、短くして樹形をコントロールするもの。
椿の場合、まず透かし剪定で風通しを良くして、その後に切り戻し剪定で、全体の形を整えるのが一般的。
椿剪定はいつするのがいい?
椿の剪定は、ただ切ればいいというわけではありません。適切な時期は、花が咲き終わった4~5月頃。そもそも椿は2~4月に開花し、次の年の花になる芽(花芽)が6月頃に出はじめます。
芽が出てしまうとそれを切り取ってしまい、翌年に花が咲かない原因になることがあります。剪定はそれまでの期間である4~5月に行うのがおすすめです。
剪定する枝や葉のタイプと見分け方
剪定の目的は風通しをよくするためですが、どれでも切っていいってわけではありません。はじめに、剪定する際に切るべき枝・切ってもいい枝をご紹介します。
1.チャドクガの卵がついた葉っぱの枝
チャドクガという害虫は毒をもっていて危険。黄色い卵(これも毒がある)の内についた葉っぱの枝ごと切り戻し剪定します。
2.徒長枝
徒長枝(とちょうし)は、分かれた枝がなく、1本だけ主幹の下の方から他の枝よりも長く伸びた枝のこと。全体のバランスが悪くなるので切るのがおすすめです。
3.内側に伸びている枝
内側、つまり主幹に向かって伸びている枝。これはそのままにしておくと中心が混みあってしまうため不要です。
4.交差している枝
他の枝と交差している枝は、どちらかを切った方がすっきりします。
5.葉も芽もない古い枝
葉も芽もない古い枝は途中から切ってしまうと、そこから枯れやすくなってしまいます。根元からバッサリ切りましょう。
6.何叉かに分かれている枝
枝先が何叉かに分かれている枝も風通しが悪くなってしまう原因。その分かれ目から1本だけ残るように切ります。
7.葉
1本の枝の同じところから複数の葉が生えている場合もあります。2~3本ほどを残して、その他の葉を付け根から切りましょう。
椿剪定の方法
ここからは剪定を行う方法を紹介します。
・長袖、長ズボン、レインコートなど肌を覆うもの
・ビニール袋
・新聞紙
・剪定ばさみ
・剪定ノコ
・殺菌剤
おすすめ
[PR]

軟膏のように木の切り口に塗りつけて殺菌し、病原菌が入るのを防ぎます。柔らかく塗りやすいのでおすすめです。
剪定の作業は危険なので、必ず軍手をはめましょう!
チャドクガの卵には毒性があるので、皮膚につかないよう長袖長ズボン、レインコートなどを着用しましょう。もしチャドクガの卵が見つかったら枝ごと切り取って、ビニール袋に入れて捨てます。
また、枝や葉が散らかってしまうので、木の下に新聞紙やビニールシートを敷くのがおすすめ。
花数を多く楽しむか、樹形を作るか決めましょう。花をいっぱいつけたいなら、あまり樹形は作らず、いらない枝だけ1本1本切っていくとよいです。
樹形重視の場合は刈り込みますが、苗木から育てると完成まで数十年かかるとか。椿の木は全体の形をダイヤ型、ひしがたに見立てて切ると、きれいに仕上がると言われています。
まずは、切ってもいい枝として紹介した、
・徒長枝
・内向きに伸びてしまった枝
・葉も芽もない枝
・他の枝と交差した枝
・何叉かに分かれている枝
これらの枝をその付け根から切り落とします。枝が込み合っている場合は絡み合う枝をほぐしてください。細い枝の場合は剪定ばさみを、太い枝の場合は剪定ノコを使って切り落としましょう。
全体の形を整えます。
芽あるいは葉のついている数mm上で切りましょう。これで徒長枝が生えないようになります。
また椿は葉も、芽もない「枝の途中」で切るとそこから枯れやすいので注意してください。
ここまでの作業が終わっても、まだ内側が混雑している場合は、短めの枝を剪定しましょう。芽のついている数mm上で切ると、徒長枝が生えることを予防できます。
切りすぎには注意!全体の日当たりや風通しがよくなる程度にしましょう。
葉っぱの量が多い場合も少し減らしましょう。目安としては、同じ部分から何枚か生えている葉の1枚を切る程度。葉を減らしすぎると枯れてしまう可能性があります。減らしすぎに注意しましょう。
切った部分から菌などが入って木が病気になるのを防ぐために、切り口に殺菌剤をつけましょう。
下に敷いた新聞紙ごと木の下に落ちた枝と葉を片付けましょう。残った枝と葉は、ほうきとちりとりでお掃除。
これで完了です。
絶対に失敗したくないときはプロに頼もう
「大事な椿、絶対に失敗したくない」「不器用で自信がない」
そんな方は、庭づくりや剪定プロに頼んでしまうのがおすすめです。
プロに頼むメリット
専用の道具や作業着を用意して、作業するのはなかなか大変。プロにお任せする方法も検討してみてください。プロは高い技術と豊富な知識で剪定を行ってくれます。
普段のお手入れのコツも聞くことができるし、1年に1回プロと会ってお話をすることで、草花をより健康的に育てられるでしょう。
プロの剪定の費用・かかる時間は?
プロに頼むとなると、気になるのがその費用と時間。木の状態や量によって変動するので、何社かに見積もりを依頼するといいでしょう。
所要時間は、一般的な家庭のお庭なら1日程度で作業は完了します。初心者の方はプロに頼むのも一つの方法として、検討してみてください。
椿の成長を左右する日頃のお手入れ3つ
剪定することで椿は健康でいられます。しかし、椿を元気にして、いっぱい花をつけるためには、毎日のお世話も大切。
水やり
鉢植えの場合、基本的に表面が乾いたら、鉢底から水があふれ出るくらい水をあげましょう。頻度の目安は、季節ごとに異なります。
・春:2日に1回
・夏:朝夕2回
・秋:2日に1回
・冬:3日に1回
お庭に直接植えている場合、水やりの必要はほとんどありません。夏場に暑くて乾燥している場合のみたっぷり水をあげましょう。
肥料
肥料を与える時期は、年に2回。
・3~5月
→植物が花や実を付けた後、消耗したエネルギーを補うための肥料
・9~11月
→冬向けて体力を蓄えるための肥料
どちらも緩効性の肥料または油かすなどをあげるといいでしょう。ホームセンターや園芸店で手に入ります。
おすすめ
[PR]

緩効性の肥料で、軽いのでとても扱いやすいです。屋外の植物や野菜に限らず、室内の観葉植物にも使えます。
害虫と病気の予防
植物の大敵、害虫と病気。それぞれの特徴とその対処法について紹介していきます。
チャドクガ
椿栽培はチャドクガとの戦いといっていいほどの虫です。ツバキ科の植物を専門としている害虫で、ほかの植物ではあまり聞きません。葉を食べてしまい、放置していると椿の木が丸裸に。
また、卵・幼虫・成虫ともに毒を持つ毛を全身に生やしていて、これが私たちの皮膚に刺さるとかゆみをともなう発疹が出ます。治るのに1か月くらいかかることもあるのだとか。
もっとも活発で害の大きい幼虫の発生時期は4~5月と9月下旬ごろの2回。葉っぱに卵が産みつけられるので、剪定して発生を抑えるのが一番。春の剪定に加えて、8月にも軽く剪定しておきましょう。
剪定した後、オルトラン系やベニカ系の薬剤を散布すると幼虫の発生をかなり防げます。幼虫が発生した場合、髪の毛も含め完全防備したうえで薬剤を散布しましょう。チャドクガの毒針が折れて刺さると怖いので、毒針凝固剤がおすすめ。
死んだ幼虫は、毒針が皮膚に刺さらないよう気をつけてビニール袋に密封して捨てます。
おすすめ
[PR]

毒針ごと虫を固めるので、針が刺さる心配が軽減されます。殺虫成分がないのもポイントです。1本だけだと心配な方は、まとめ買いがおすすめ。
カイガラムシ
すす病という黒いカビが葉に広がり、光合成できなくなってしまう病気の原因に。また、樹液を吸うことで木の健康を害します。専用の薬剤で駆除しますが、成虫になるとあまり効きません。歯ブラシや割りばしでこすり落としましょう。
おすすめ
[PR]

ジェット式なので、水で薄めるなどの手間がいらず、手が汚れにくいアイテム。カイガラムシはポピュラーな害虫なので、ガーデニングをしている方は1本持っておきましょう。
花腐菌核病
花びらに茶色の斑点が出てしまう病気。雨に当たると被害が広がります。花が地面に落ちると翌年の病気の発生源に。病気になった花は早く摘んでしまいましょう。
流れる水で病気が他の花びらに移るので、水やりも花びらにはかからないようにします。普段のお世話で椿を元気に保って、冬きれいに咲く姿を見られるようにしましょう。
椿を購入するときのポイント
ここからは、初めて椿を買う方に向けて、元気な椿を育てるために、購入の段階でのポイントをお伝えします。
苗選び
椿の苗には結構いろいろあって選ぶのが大変。実は、椿の苗選びはかなり重要なんです。3つのポイントを解説します。
苗木の色に注目
苗全体が黄色いもの、つぼみが極端に多いものは避けましょう。椿自体が弱っていたり、肥料不足していたりする可能性があります。ただし、品種によっては黄緑の葉の品種もあるので、注意してください。
品種説明を確認
椿の苗を選ぶとき、品種名と品種説明・開花時期の表示があるラベルが付いているものを選びましょう。品種説明が明確であるものほど、良質な椿であることが多いです。
接ぎ木苗を選ぶ
椿の苗は挿し木苗と接ぎ木苗の2種類があります。
接ぎ木苗:さざんかや乙女ツバキなどの台木に椿を接いだもの。
一般的に流通しているのは挿し木苗ですが、おすすめするのは接ぎ木苗。接ぎ木苗は、成長が早く、どんな土壌にも対応できる強さがあります。
品種により違いはありますが、接ぎ木苗は1年で、挿し木苗の2~3年分の成長をするとか。花付きの良さも挿し木苗に比べ良く、活け花や切り花として剪定をすることもできます。
植え替え
さて、椿の苗を買ってまずすることはなんだと思いますか?その答えは植え替え。どの植物も買ったときに入っている鉢は小さめです。根が鉢いっぱいに張っているときには、新しい鉢やお庭に植え付けてあげましょう。
時期は花後の3月中旬~4月、花芽(成長すると花になる芽)が固まる前の9月中旬~10月中旬が適しています。
鉢植えとお庭に直接植える2つの方法を説明します。
鉢植えの方法
・鹿沼土(中粒)
・赤玉土(中粒)腐葉土2の割合で混ぜたもの
・緩効性肥料
・一回り大きな鉢(1号上のサイズ)
鉢底アミを鉢の底の穴にかぶせるように敷きます。
底が見えなくなるくらいまで、鹿沼土(大粒)を敷きます
赤玉土(中粒)6:鹿沼土(中粒)2:腐葉土2の割合で混ぜたものを鉢の1/5程度入れます。
根についた土を一回り崩して、苗を入れます。
混ぜた土を、苗の根についた土の高さまで入れます。入れ終わったら軽く割りばしなどで固めます。
水をあげて根を土になじませます。
表面に緩効性肥料を置きます。
日陰に1週間置いて環境に慣れさせましょう。
地面に直接植える方法
水はけのよい西日の当たらない半日陰の場所に植えましょう。多少水持ちがよい場合は鹿沼土を混ぜて改良してください。
・大型のシャベル
・小型のシャベル
・支柱
・ビニールハンド
根鉢の直径2倍ほどの広さ、根鉢と同程度の深さの穴を掘りましょう。
掘り起こした土と腐葉土を混ぜます。掘り起こした土7:腐葉土3くらいの割合です。
混ぜた土の3割ほどを穴に入れましょう。
苗を植えます。根についた土を1/3程度軽く崩した後、混ぜた土の上に置きます。
残りの土を根鉢の高さまで入れます。
土をシャベルなどで固め、苗がぐらつかないようにします。
きちんと根が張るまでは、支柱を添えるのがいいでしょう。椿の木にピッタリと沿うように支柱を挿し、ビニールバンドで数か所留めます。
水をあげて、土に苗をなじませます。
緩効性肥料を表面に置きましょう。これにて完了です。
椿の剪定の知識を身につけて
椿剪定は、芽を切り落とさないために4~5月に行うことと、木の成長を弱めないために枝も葉も切りすぎないことの2つに気をつけましょう。椿の元気な成長のために必要不可欠な椿剪定の正しい知識を身につけて、チャレンジしてみてください。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
※本記事に掲載する一部の画像はイメージです。
※本記事の内容の真実性・確実性・実現可能性等については、ご自身で判断してください。本記事に起因して生じた損失や損害について、編集部は一切責任を負いません。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がユアマイスター株式会社に還元されることがあります。
※本記事のコンテンツの一部は、アマゾンジャパン合同会社またはその関連会社により提供されたものです。これらのコンテンツは「現状有姿」で提供されており、随時変更または削除される場合があります。
