
ドライクリーニングとは?メリット&デメリットと自宅でできる洗濯マークの見分け方
大切な衣類を長く美しく保ちたいなら、「ドライクリーニング」の活用が重要です。水を使わずに油性の汚れを落とし、縮みや型崩れを防ぐこのクリーニング方法は、高級素材やデリケートな衣類にぴったり。
しかし、「クリーニング料金が高い」「頻繁に利用すると衣類が傷みやすい」などのデメリットもあります。本記事では、ドライクリーニングの仕組みやメリットやデメリットのほか、洗濯表示の見分け方、自宅でのケア方法まで詳しく解説。賢く活用して、衣類を長持ちさせましょう。
目次
ドライクリーニングとは?基本を解説
ドライクリーニングは、水を使わずに衣類を洗う方法です。デリケートな素材や特殊加工された衣類の形を保ちながら、汚れを落とすのに適しています。
ドライクリーニングの仕組みと一般的な洗濯との違い
ドライクリーニングとは、水の代わりに油性の有機溶剤を使って汚れを落とすクリーニング方法です。水に弱い素材や型崩れしやすい衣類に適しています。
一般的な洗濯では水と洗剤を使って汚れを落としますが、水洗いでは落ちにくい油性の汚れ(皮脂やファンデーションなど)をしっかり除去できるのがドライクリーニングの特徴です。
ドライクリーニングが推奨される衣類
以下のような衣類は、ドライクリーニングが適しています。
衣類の種類 | 理由 |
ウール、シルク、カシミヤ | 繊維がデリケートで、水洗いすると縮みやすい |
ダウンジャケット、高級コート | 中の羽毛や詰め物が水洗いで偏るリスクがある |
ビジネススーツ、フォーマルウェア | 型崩れを防ぎ、風合いを維持するため |
大切な衣類を長持ちさせるためには、洗濯表示を確認し、適切な方法でお手入れすることが重要です。
クリーニングの種類と特徴
種類 | 特徴 |
ドライクリーニング | 油が原料の溶液を使用する方法 |
ウェットクリーニング | 特殊な技術を用いた水洗いクリーニング |
ランドリー | 温水に専用洗剤、アルカリ剤などを加えて洗う方法 |
特殊クリーニング | 上記3種類で洗濯できない衣類に用いられる方法 |
クリーニング店で行われる洗浄方法は、ドライクリーニングのほかにウェットクリーニングやランドリー、特殊クリーニングの4つに分けられます。それぞれ洗浄方法が異なり、適した衣類や素材も異なるのがポイント。クリーニング店では、洋服の素材や汚れに応じて洗濯方法を選んでいます。
ドライクリーニングのメリットとデメリット
ドライクリーニングには、衣類を傷めにくいなどの利点がある一方で、コストや頻度に注意が必要です。メリットやデメリットを理解し、賢く活用しましょう。
メリット|油性の汚れが落ちやすい
・皮脂や油汚れなど油性の汚れが落ちやすく、仕上がりが美しい
・ウールやシルクなどの高級素材に適している
・皮脂
・化粧品
・チョコレート、食用油、バター
・油性インク
ドライクリーニングは、水洗いでは落としにくい油性汚れを落とすのに向いています。そのため、衣類に付着した油染みや化粧品、インクなどの汚れを溶かして落とせるのがメリットです。
また、ドライクリーニングは水を使わないため、デリケートな衣類の縮みや型崩れ、色落ちが起こりにくいのがポイント。シャツやブラウスなども、シワやヨレがなくパリッとした状態に仕上がります。カシミアやレーヨンのような型崩れや縮みの心配がある素材も、ドライクリーニングなら水洗いの負担を減らせるため、もともとの風合いや美しさを保ちやすいのがメリットです。
デメリット|水溶性の汚れ落としは難しい
・頻繁な利用は生地を傷める原因になる
・完全に自宅で再現するのは難しい
・水溶性の汚れが落としにくい
・汗
・コーヒー、お茶
・しょうゆ
・アルコール
ドライクリーニングは、水溶性の汚れを落としにくいという特徴があります。このような水溶性の汚れが付いてしまった場合は、クリーニング前に薄めた中性洗剤で部分洗いや染み抜きをしておくとよいでしょう。また、まれに石油系有機溶剤の臭いが残ることもあります。クリーニング後に袋を被せた状態で長期間衣類を収納しておくと、使用した石油系の有機溶剤の成分により、臭いが残ってしまうことがあるので気をつけましょう。
ドライクリーニングには、以上のような利点や注意すべき点があります。衣類の種類や頻度に応じて、上手に使い分けることが大切です。
洗濯表示マーク|ドライクリーニングの見分け方

衣類を適切にお手入れするためには、洗濯表示マークの確認が重要です。特に、丸の中に「P」や「F」などの記号が入ったものは、ドライクリーニング対応マークです。
・石油系溶剤:油汚れを落とす力は弱め、デリケートな素材の衣類向き
ドライクリーニングでは、主に「パークロロエチレン」という金属の洗浄などの目的で工業的に生産されている化合物と、「石油系溶剤」の2種類の有機溶剤が用いられており、衣類の素材や汚れによって溶剤を使い分けています。洗濯表示の「P」は、「パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる」という意味。そして「F」は「石油系溶剤によるドライクリーニングができる」という意味で、洗濯表示から使用できる溶剤を確認できます。
フッ素系溶剤という種類もありますが、油汚れを落とす力が弱いことや、ボタンや樹脂素材はダメージを受けやすいことなどから、あまり使用されていないようです。クリーニング店によって使用している溶剤が異なる場合があるので、依頼する際に確認してみるのもおすすめです。
自宅で洗える可能性がある衣類
・「水洗い可能」マークがあるもの
クリーニング店に依頼すべき衣類
・シルク・カシミヤ・革・キュプラなどのデリケートな素材
・形崩れや色落ちが心配な大切な衣類
洗濯表示をよく確認し、大切な衣類はプロの手に任せるのがおすすめです。特に、高級コートやスーツなどは、水洗いすると縮んだり風合いが損なわれたりするリスクがあります。また、ウールやカシミヤは、適切な方法でクリーニングしないと毛玉ができやすくなることもあるので注意が必要です。
内部リンク:洗濯表示マーク
【自宅で水洗いできる?】ドライクリーニングマークの衣類の洗濯方法

「P」や「F」などのドライクリーニングマークは「ドライクリーニングができる」という意味で、「ドライクリーニングをしなきゃいけない」という意味ではないのがポイント。
洗濯表示をチェックして、ドライクリーニングマークのほかに手洗いマークや洗濯機マークがついていれば、自宅の洗濯機でも洗うことが可能です。ドライマークが付いた衣類を自宅で洗う場合、優しく洗うことがポイントです。主に以下の2つの方法があります。
1. 衣類を たたんで洗濯ネットに入れる(摩擦を防ぐため)
2. おしゃれ着用洗剤 を使用
3. ドライコース・弱水流コース・おうちクリーニングコース などを選択
1. タライや洗面器にぬるま湯を張る(30℃以下が理想)
2. おしゃれ着用洗剤を溶かし、やさしく押し洗い
3. 洗剤をしっかりすすぎ、タオルで水分を取る
洗濯機の「ドライコース」は、水を使ってできるだけ衣類に負担をかけずに洗う機能です。しかし、クリーニング店のドライクリーニングのように 油性の汚れを落とす効果はありません。「ドライ可」マークがある衣類には有効ですが、大切な衣類はプロに依頼するのが安心です。
内部リンク:ドライクリーニングができる洗剤3選!
ドライクリーニングの料金相場とクリーニング業者の選び方

ドライクリーニングの料金は衣類の種類や店舗によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
料金相場と仕上がり日数一覧表
衣類の種類 | 店舗クリーニング | 宅配クリーニング | 仕上がり日数 |
スーツ(上下) | 1,000~2,000円 | 1,500~3,500円 | 約10~30日 |
ジャケット | 800~1,200円 | 1,300~3,500円 | 約10~30日 |
ワンピース | 1,000~2,500円 | 1,500~4,000円 | 約10~30日 |
コート | 2,000~4,500円 | 2,500~5,000円 | 約14~30日 |
※2025年2月時点での編集部調べによる税込価格の目安
クリーニング店の選び方
自分に合ったクリーニング店を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
・仕上がりまでの時間:急ぎの依頼が可能か
・利便性:自宅や職場の近くにあるか
・取り扱いアイテム:特殊素材やブランド品の対応があるか
宅配クリーニングのメリット
宅配クリーニングは、いつでも手軽に注文できるので忙しい方に便利な選択肢です。
・大量の衣類もまとめて依頼できる
・ 自宅から送るだけで完了するので手間がかからない
生活スタイルに合わせて、クリーニング方法を選びましょう。宅配クリーニングは、衣類の保管ができるパックもあるうえ、しみ抜きやボタン付け、毛玉取りが無料!サイト内で自分に合ったクリーニング業者を選べるのでおすすめです。
【Q&A】ドライクリーニングに関する質問
ドライクリーニングに関する気になる点や注意点など改めてまとめました。「水洗い不可の衣類を洗濯してしまった!」というトラブルを防ぐために、参考にしてみてください。
Q. ドライクリーニングってどうやって洗うの?
A. 水を使わずに有機溶剤を使って衣類を洗浄します。
水や洗剤の代わりに有機溶剤を使って洗濯を行うことで、油性汚れを落とすことが可能です。
Q. ドライクリーニングは水を使わないの?
A. 石油などを原料とした有機溶剤を使います。
ドライクリーニングで使う有機溶剤は油の一種で、溶剤を使って衣類の汚れを落とします。
大きく分けて「パークロロエチレン」や「石油系溶剤」などの種類があり、クリーニング店は、汚れや洋服の素材によって使い分けています。
Q. ドライクリーニングの欠点は何?
A. 水溶性の汚れは落としにくいのがデメリットとして挙げられます。
汗やアルコール、しょうゆなどによる水溶性の汚れは落としにくいという特徴があります。
そのためクリーニング店では、デメリットを補うために汗抜き加工をオプションとして組み合わせて対処する方法もあります。
Q. ドライクリーニングマークの服を自宅で水洗いしたらどうなる?
A. 衣類の型崩れや縮みの原因になるので注意しましょう。
ドライクリーニング表示がある衣類でも、水洗い可能マークがついているものや水に対する耐久性がある素材は自宅で洗濯が可能です。
シルクやカシミアのような水に弱い素材を水洗いすると、型崩れや縮みが起きてしまうので、洗濯表示と素材を確認してお手入れをすることが大切です。
Q. ドライクリーニングの料金は?
A. 一般的に、カジュアルシャツ・ブラウス、スカートは825円~、ジャケットは1,760円~となります。
スーツやスカートなど衣類の種類や素材、クリーニング店舗によって料金は異なるため、事前に店舗に確認しましょう。
※2024年5月時点での編集部調べによる税込価格の目安
大切な洋服はドライクリーニングを業者に依頼しよう

ドライクリーニングは、水洗いできないデリケートな衣類を守る大切なメンテナンス方法です。油性の汚れを落とし、型崩れを防ぐメリットがある一方で、コストがかかる点や頻繁な利用による生地のダメージには注意が必要。洗濯表示をしっかり確認し、自宅でのお手入れとクリーニング店の利用を使い分けるのがポイントです。
宅配クリーニングを利用すれば、忙しい方でも手軽にプロのクリーニングを受けられます。クリーニング業者選びに困ったら、宅配クリーニングを活用するのもおすすめです。大切な衣類を長持ちさせるために、適切なケアを心がけましょう。
内部リンク:ウェットクリーニングって何?水洗い不可のものを水で洗う魔法の方法
内部リンク:クリーニングの出し方徹底解説!初めてお店に行く際のポイントを総まとめ
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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