
アイロンの温度は何が正解?素材別の設定や表示マークの見方も解説
アイロンは見た目の印象を左右する大切な家事。正しい温度設定を理解せずに使っていませんか?アイロンの温度の基本や素材別の適切な設定方法、温度表示マークの見方などを解説。衣類を傷めず、きれいに仕上げるためのポイントをおさらいしましょう。
目次
アイロンの「設定温度」とはどれくらい?

アイロンには、衣類の素材に合わせて温度を調整する機能があります。一般的には「低温」「中温」「高温」の3段階に分かれており、最近ではダイヤル式やデジタル表示で細かく設定できるモデルも登場しています。
ざっくりとですが、以下のような温度が目安です。
アイロンの表示 | 実際の温度(目安) |
低温 | 80~120℃ |
中温 | 140~160℃ |
高温 | 180~210℃ |
機種によって多少の差はありますが、基本的にはこの温度帯を意識しておくとよいでしょう。衣類のタグにある素材表示を参考に、適切な温度でアイロンをかけてください。
素材ごとのアイロン設定温度をチェック
では、どの素材をどのくらいの温度でかけるといいのでしょうか。素材ごとにアイロンの温度の目安を紹介します。
素材 | 繊維 | 使われているもの | 温度 |
天然繊維 | 綿 | タオル、シャツ、浴衣 | 高 |
麻 | 夏物の衣類、ハンカチ | 高 | |
絹 | ネクタイ、スカーフ、和服 | 低 | |
毛・ウール | 冬物の衣類、セーター | 低 | |
再生繊維 | レーヨン | 裏地、下着 | 低~中 |
キュプラ | 裏地、風呂敷 | 低~中 | |
半合成繊維 | アセテート | 裏地、カーテン | 低 |
合成繊維 | ポリエステル | フリース、学生服 | 中 |
ナイロン | ストッキング、水着 | 中 | |
アクリル | 冬物の衣類、セーター | 中 | |
ポリウレタン | 合成皮革、水着 | 低 |
高温でアイロンがけできるのは、主に綿や麻などの丈夫な素材。一方、ウールやプリーツなどデリケートな素材は、形を崩さないようスチームで優しく整えるのがおすすめです。スチームは約100℃なので、設定温度の「低」にあたります。
すべての素材を覚える必要はありません。衣類の洗濯表示にアイロンマークがあるので、必ずそれを確認して温度を設定しましょう。
衣類のアイロン表示の意味を知ろう

ここからは、アイロン表示の読み方を解説していきます。
アイロン表示とは、洗濯タグの中にあるアイロンのような形のマークのこと。アイロン表示で注目するポイントは、「温度」「波線」「×印」の3つだけ。早速、詳しい読み方を見ていきましょう。
マークの中にある温度の表示
アイロンのマークの中に、「低」「中」「高」のいずれかが表示されているマークがあります。これは、「アイロンの設定温度」を表しています。
この表示のとおりにアイロンの温度を調節すれば、OK。大事なお洋服を傷めないためにも、アイロン前にチェックしましょう!
アイロンにバツがついている表示
アイロンのアイコンに大きくバツがついている表示もあります。これは、そもそも「アイロンをかけること自体がNG」という意味です。
マークの下に波線がある表示
アイロンマークの下に波線が入っているものがあります。この波線は、「当て布が必要な衣類」ということを示しています。波線がない場合は、衣類に直接アイロンを当ててOKです。
当て布って何?

当て布とは、衣類をアイロンの熱から守るために、アイロンと衣類の間に挟む布のこと。
洗濯表示でアイロンマークの下に波線がある場合は、当て布の使用が推奨されています。専用のメッシュタイプなども販売されていますが、手ぬぐいなど家にある綿素材の薄い布でも代用可能です。とくに白くて薄手の手ぬぐいは、下の衣類が見えやすく扱いやすいのでおすすめです。
当て布を使ったアイロンがけの方法を詳しく知りたいと思った方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。
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アイロンの洗濯表示がリニューアル?新旧の違いを確認しておこう
平成28年以降の新洗濯表示では、アイロンマーク内の「・」の数で温度を示します(・=低温、・・=中温、・・・=高温)。
また、当て布の指示は「当て布使用」と文字で表記されるようになりました。新旧表示が混在している今、確認を習慣にしておきましょう。
アイロンの温度を調節するコツは?

ここからは、アイロンがけを手早く終えるためのコツを紹介します。
まずはアイロンする衣類をチェックして、同じ洗濯表示が書かれている洗濯物を仕分けておきましょう。同じ表示温度の衣類をまとめてアイロンがけすることで、作業時間を大幅に短縮できます。
また、効率よく仕上げるためには、温度の低いものから順にかけるのが基本。温度が高いものから始めると、次に低温設定が必要な衣類で待ち時間が発生し、非効率です。
スチーム機能で失敗を防ぐのも手!
素材によっては、通常のプレスだけではシワが伸びにくいことも。そんな時はスチーム機能を併用しましょう。
シワをしっかり伸ばしたい場合
アイロンをかける際に、洗濯表示に温度に設定したうえでスチーム機能をプラスすると、それだけでシワがきれいに伸びていきます。ズボンの折り目やプリーツスカートなどもくっきりアイロンできるため、美しい仕上がりに。
このとき、アイロンをゆっくり丁寧に動かすのがポイントです。
衣類のぺたっと感を防ぎたい場合
ウールやシルクなどには、直接当てずに蒸気だけを当てると、ぺたっとせずにシワも取れます。アイロンを浮かせて蒸気を当てる方法を、ぜひ試してみてください。
アイロンはプレスをしなくても、軽いシワなら伸ばすことができます。大切なおしゃれ着や小物にアイロンをする場合は、スチームだけでもシワがきれいになるかをチャレンジしてみてもよいかもよいかもしれません。
温度設定の基本を押さえて、差がつくアイロン術を身につけよう
アイロンの温度調節は一見地味でも、じつはとても重要。素材に合った温度を守らないと、衣類を傷めてしまうこともあります。また、当て布を使うなど基本のひと手間が、仕上がりの美しさや服の寿命を左右します。
見た目を整え、服を長持ちさせるためにも、アイロンの温度表示を理解し、正しい使い方を習慣にしましょう。おしゃれをもっと長く楽しむために、今日から実践してみてください。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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