
化粧品メーカーがなぜ?ランクアップが開催する「社内リユースマーケット」に込められた想い
オリジナル化粧品の「マナラ」「アールオム」「アクナル」を開発・販売するランクアップ。販売累計2,600万本を達成したホットクレンジングゲルをはじめ、肌悩みに寄り添いながら、美しさへの一歩を後押しする化粧品を提供しています。
多くの女性社員や子育て中の社員が活躍する同社では、日々の暮らしや育児の中で生まれた「こうだったらいいのに」という声を、かたちにする取り組みを積極的に行っています。今回は、同社本社で開催されたサイズアウトした子ども服やファッションアイテムを譲り合うイベント「社内リユースマーケット」について、代表取締役・岩崎裕美子さんにお話を伺いました。
社内に広がる、あたたかな「おさがり文化」

ワタシト編集部が訪ねたのは、昼休みのタイミングで開始された「社内リユースマーケット」。ランクアップ社内の一室に、子ども服や抱っこ紐、おもちゃなど、色とりどりのアイテムがずらりと並んでいました。


服は男女問わず小学校高学年までのサイズが揃い、長靴や甚平、ラッシュガードといった季節ものも充実。

人形やおもちゃも並び、まるでフリーマーケットのようなにぎわい!

ある社員の方は、「着られる期間が短い子ども服だからこそ、きれいな状態のものが多く集まっています。何着でも持ち帰ってOKなのでとても助かりますし、大切に使ったあとにまたリユースマーケットに出せば、同じ服が長く活躍できていいですよね」と話します。
また別の方からは、「少し汚れてしまったものはフリマで売るのが難しく、こういう場で誰かに使ってもらえると本当にありがたいです。子ども服はすぐにサイズアウトするので、頻繁に買うのも気が引けて。このイベントがあるおかげで、買う量を調整しやすくなりました」といった声も聞かれました。
会場にはお子さんの姿も。お父さん社員は、「前回のクリスマス会でおもちゃと自転車をもらって、それがとても嬉しかったようで。今回も『ついていく!』と言うので一緒に出社しました。会社ではいろんな方に構ってもらえるのが楽しいみたいです」と笑顔で話してくれました。
ランクアップでは、こうしたイベント時に限らず、子どもと一緒に出社することが認められているそうです。
戦力であるママ・パパたちに、長く働いてほしいから

ーーかわいい服がたくさん集まり、大盛況でしたね。
「社内リユースマーケット」は3回目になります。今回は衣替えの季節に合わせて、洋服を中心にしました。不要になった子ども服を社員が持ち寄っています。子どもの成長はあっという間で、サイズアウトした服はたちまち不要になり、もったいないですからね。
ーーお子さんのいる社員数は多いのでしょうか?
弊社は従業員が約100名おり、そのうち8割が女性。さらにその半数にあたる社員がお子さんを育てていて、子どもたちの数は60名を超えます。
ーー60名超は凄い!子育て世代が働きやすい環境なんですね。
社員の多くが出産や子育てを経験しているなかで、おもちゃなど使用期間が限られるものを、年下の子たちに受け継ぐイベントとして開催したのが始まりでした。そこから会社主導で「リユースマーケット」を開くようになったんです。

ーー子育て世代の支援には、岩崎さんご自身の経験が活かされているのでしょうか。
ランクアップを立ち上げる前、私は広告代理店で働いていました。朝から晩まで仕事に追われる日々の中で、当時は「出産をしたら退職せざるを得ない」という空気が当たり前のようにあったんです。
仕事では成果を出せていたものの、ある日、ふと鏡を見て、自分の肌がボロボロで、実年齢よりもずっと老け込んでいることに気づいてしまったんです。「自分の肌を、本当に変えられる化粧品を作りたい」と思い立ち、開発したのが「ホットクレンジングゲル」でした。

ーーランクアップの「たった一人の悩みを解決することで、世界中の人たちの幸せに貢献する」という企業理念がまさに形になっていますね。
起業する際に、子どもを産んでも働き続けられる、一生活躍できる会社を作りたいと思いました。どんなに早く帰れても、育児と仕事の両立は大変。でも、弊社の主戦力はまさに子育て世代。だからこそ、絶対に辞めてほしくないという思いで、制度を整えてきました。その結果、出産を理由に退職した社員は一人もいません。夢を実現しながら働ける環境があることに、私自身とても幸せを感じています。
会社の成長に応じて、必要なときに必要なものを
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お子さんと一緒に出社できるだけでなく、ランクアップでは、子育て世代が安心して働けるよう、日々のリアルなニーズに応じたサポート体制を整えています。なかでも「7つの子育てランクアップ!術」と名付けられた制度には、育児中の社員の声から生まれた実用的な仕組みがたっぷり。
たとえば有給休暇は1時間単位で取得可能です。社員は、治癒証明書を取りに行ったり、歯医者に連れて行ったり、ちょっとした用事を済ませるのに活用しているのだとか。
さらに、ベビーシッター代も会社が全額負担。出社とリモートを自由に組み合わせられるハイブリッド勤務や、朝5時から夜22時までの間で働く時間を選べるスーパーフレックス制度など、多様な働き方を支える仕組みも整っています。
これらの制度はすべて、社員の声から生まれたもの。意見収集ボックスに寄せられたアイデアをもとに、一度試してみて、あまり活用されないものはやめ、使われるものは改善を重ねていく――そんなサイクルを繰り返すなかで、「必要なときに必要な制度をつくる」文化が根づいてきたのですね。
◇◇◇
子どもの成長はあっという間。その一瞬一瞬を大切にしながら、仕事と家庭のどちらも無理なく向き合える環境づくりを、ランクアップは本気で考え続けています。
「社内リユースマーケット」は、そんなママ・パパたちのリアルな声から生まれた、あたたかな循環の場。誰かの「こんなことがあったらいいな」に寄り添うこと。それが巡りめぐって、世界中の誰かの笑顔につながる。そんな理念が、このイベントにも息づいていました。
取材、文/ゆう
ワタシトJOURNAL
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