油性マジックペンは落としにくい?効果的な落とし方を素材や場所別に解説【服・壁・床の汚れ】
油性ペン汚れの落とし方を解説します!除光液やクレンジングオイル、エタノール(アルコール)をはじめ、日焼け止めや消しゴムなど、家にあるもので簡単にできる対処法を紹介。服や机、壁紙や床、ホワイトボードといった場所別に落とす手順のほか、プラスチックや金属など落としやすい素材と落としにくい素材の違いをまとめました。また、洋服についた油性ペンを落とすのに効果的な洗剤はどれなのか、実際に効果を試して比較検証。「落とし方の裏ワザはある?」「時間がたっても落ちる?」といった疑問も解消します。
目次
- 1 油性マジックペンはなぜ落ちにくい?水性ペンとの違いや理由
- 2 油性ペンの汚れ落としには何を使う?落としやすい素材と落ちにくい素材
- 3 【比較検証】服についた油性ペン汚れを落とすのに効果的な洗剤はどれ?
- 4 場所×素材別|自分で簡単にできる油性ペン汚れの消し方
- 5 【洋服/布】クレンジングオイルや除光液を使う落とし方
- 6 【肌/皮膚】日焼け止めや口紅を使う落とし方
- 7 【壁紙・床/ビニール・金属】消毒用エタノールやメラミンスポンジを使う落とし方
- 8 【机/木製家具】みかんの皮を使う落とし方
- 9 【プラスチック】消しゴムを使う落とし方
- 10 【ホワイトボード】アルコールやホワイトボードマーカーを使う落とし方
- 11 応急処置しても油性ペン汚れが落ちないときはクリーニング依頼
- 12 【Q&A】油性ペンの落とし方に関連する質問
- 13 油性ペンやマーカー汚れの落とし方を覚えておこう
油性マジックペンはなぜ落ちにくい?水性ペンとの違いや理由
油性マジックペンや「マッキー」といった油性マーカーで着いてしまった汚れ。なかなか落ちにくいものですが、汚れの程度や素材、落とし方によってはきれいに消せる場合があります。
詳しい落とし方を見る前に、「なぜ油性ペンの汚れは落としにくいのか?」理由や特徴を見てみましょう。
油性ペン
・着色剤を油(揮発性有機溶剤)に溶かしている
・主に顔料を使っている
・樹脂や定着剤が含まれる
水性ペン
・着色剤を水に溶かしている
・基本的に染料を使っている
・樹脂や定着剤が含まれない
油(有機溶剤)が主成分だから水に溶けにくい
油性ペンは揮発性が高くて乾きやすく、耐水性にもすぐれているのが特徴。保ちがいいというメリットがある反面、どうしても水性ペンよりも落としにくくなってしまいます。
油は水と混じりにくく分離する性質があるため、水でマーカー汚れを落とそうとしても溶かすことができずなかなか落ちません。
顔料が使われているから染み込みやすい
油性マジックペンや油性マーカーに使われているインクは染料とは異なり、主に速乾性や耐水性のある顔料。文字や絵を書くとすぐに乾き始め、一度定着してしまうと後から落とすのが難しくなります。
商品によっては「染料油性インク」や「顔料水性インク」もあるため、付着してしまったマジックペンがどの種類なのか確認してみるとよいでしょう。
樹脂や定着剤が含まれるから色を剥がしにくい
油性ペンで書いた文字が消えにくい理由には、インクや水以外の成分が含まれていることも挙げられます。
定着剤はプラスチックやビニールに書いたときも剥がれにくくし、樹脂は溶剤と着色料のつなぎをする役割。長持ちさせるように作られているため、汚れを落としにくいのです。
油性ペンの汚れ落としには何を使う?落としやすい素材と落ちにくい素材
油性ペンの汚れ落としに使うものと注意点
・クレンジングオイル
・除光液
・エタノール(無水や消毒用)
・アルコール入りウェットティッシュ
・液体洗剤
・日焼け止め
・みかんの皮
・消しゴム
・場合によってはホワイトボードマーカー など
主に上記のアイテムが役立ちますが、素材によって向き不向きがあるほか、必ずしも落としきれるとは限りません。
・除光液は成分にアセトンが含まれるものを使う
・洋服に使う場合は服の繊維が傷むので注意(特にアクリル素材やアセテートはNG)
・柑橘系のオイルや皮はプラスチックを溶かす場合がある
合わないものを使うと素材を傷めてしまう場合や、さらに汚れを広げてしまう場合があります。まずは少量だけ小さな範囲または汚れてもいい箇所で試し、落ちそうな場合のみ汚れ落としを続けるのがおすすめです。
【素材別の比較表】油性ペン汚れが落ちない素材はある?
油性ペンを落としやすい素材
・ツルツルな素材
・ガラス
・プラスチック
・金属製品(アルミ以外)
・陶器
・ホワイトボード
油性ペンを落としにくい素材
・ざらつきや凹凸のある素材
・有機溶剤で溶けやすい素材
・布(素材による)
・木(表面塗装ありの木材)
・壁紙、ビニール類
・プラスチック
・ゴム
・アルミ
油性ペンをほとんど落とせない素材
・汚れが奥まで浸透した素材
・紙
・石
・レンガ
・コンクリート
・本革、合成皮革
・塩化ビニール
素材の奥まで染まってしまったものや、時間が経って汚れが定着してしまった素材は、油性ペン汚れが落ちないことがあります。
強引に落とそうとするとかえって悪化することもあるため、自分では厳しい場合はクリーニング業者へ依頼を検討するのも手です。
【比較検証】服についた油性ペン汚れを落とすのに効果的な洗剤はどれ?
汚れ落としによく使われる6種類の洗剤を使って、服についた油性ペンの汚れを落とすのに向いている洗剤はどれか、実際に検証してみました!
汚れてからどのくらい経つと落としにくくなるのか、経過時間もあわせて見てみましょう。
・洗濯用弱アルカリ洗剤
・酸素系漂白剤(粉末状の酸素系漂白剤を水で薄めたもの)
・無水エタノール
・クレンジングオイル
・除光液
2. 汚れてから30分待つものと1時間待つものに分ける
3. 洗剤をつけて5分間置く
4. もみ洗いする
汚れてから30分→5分漬け置きした検証結果
上の4つは、汚れ自体がそのままはっきり残っているため、あまり効果がない様子。特に汚れを落とせたのは、クレンジングオイルでした。
除光液は完全に落とせたわけではありませんが、汚れてから30分以内に応急処置することで汚れの分解はできたようです。
汚れてから1時間→5分漬け置きした検証結果
上の4つは、やはり汚れがそのまま残ってしまっています。クレンジングオイルも除光液も汚れを分解してくれるので、比較的キレイになった印象。
しかし、汚れてから30分以内に洗い始めたものと比べると汚れ落ちはよくありません。
【結論】服についた油性ペン汚れを落とすにはクレンジングオイルor除光液
検証した結果、油性ペンを落とすのにおすすめなのは、クレンジングオイルと除光液でした!
油性ペンは油溶性のため、水ではなく油に溶ける性質。主成分が油のクレンジングオイルは汚れ落ちがいいという結果になりました。主成分がアルコールの除光液も同じように、油溶性の汚れを分解しやすいことが読み取れます。
どちらを使う場合でも、汚れが付着してから時間が経てば経つほど落ちにくくなるので、できるだけ早めに落とすことも大切です。
場所×素材別|自分で簡単にできる油性ペン汚れの消し方
ここからは素材別に油性ペンの落とし方について解説します。素材によって汚れを落とすためのおすすめのアイテムが変わってくるのでチェックしていきましょう。
【洋服/布】クレンジングオイルや除光液を使う落とし方
比較検証でも紹介した通り、服のような布製品についた油性ペンの汚れには、クレンジングオイルや除光液を使う方法がおすすめです。
大事な洋服や水洗いできない洋服の場合は、型崩れや色落ちを防ぐためにもクリーニングに出しましょう。
・タオル(当て布)
・歯ブラシ
・クレンジングオイルまたは除光液
2. 汚れの裏からクレンジングまたは除光液を垂らす
3. 歯ブラシでトントン叩く
4. 水またはお湯で洗い流す
5. 通常通り洗濯する
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【肌/皮膚】日焼け止めや口紅を使う落とし方
肌(皮膚)についた油性ペンには、まずクレンジングオイルや液体洗剤を試してみましょう。「外出先で持ち歩いていない」といった場合には、日焼け止めや口紅などのアイテムを使う手があります。
日焼け止めの主成分である油分、口紅の主成分の乳化剤が油性ペンの汚れを浮かして落とします。
・日焼け止めまたは口紅
2. ティッシュで拭き取り、水で洗い流す
【壁紙・床/ビニール・金属】消毒用エタノールやメラミンスポンジを使う落とし方
壁紙や床、ビニールや金属などについた油性ペンの汚れには、消毒用エタノールまたは除光液、メラミンスポンジがおすすめです。
塗装されているものは表面が剥げてしまうことがあるので、はじめに目立たない場所で少しずつ試して様子を見るか、使うのを控えましょう。
・タオル(当て布)
・メラミンスポンジ
2. 汚れ部分に1の雑巾をポンポンと当てながら落とす
3. メラミンスポンジで優しく擦る
4. 最後に水拭きする
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【机/木製家具】みかんの皮を使う落とし方
みかんの皮には“リモネン”という成分が含まれており、油汚れを落とすのに役立ちます。机のようにコーティングされた木製家具についた油性ペンの汚れを落とすのにおすすめ。
ただし、コーティングされていない木材には油性ペンが染み込んでしまうため落とすことが難しく、材質が変色してしまうこともあるので注意しましょう。
・雑巾2~3枚
2. 雑巾で水拭きする
【プラスチック】消しゴムを使う落とし方
プラスチックに付いた油性ペン汚れには、ポリ塩化ビニルを原材料に作られた消しゴムがおすすめです。
消しゴムで落とすことができない場合は、エタノールや除光液を使う手もありますが、プラスチックが溶けてしまうこともあるので注意しましょう。
【ホワイトボード】アルコールやホワイトボードマーカーを使う落とし方
「会議室や家のホワイトボードにうっかり油性ペンで書いてしまった」というときは、アルコール入りのウェットティッシュで拭き取ってみましょう。ボードに表面加工がある場合は傷めてしまうので注意します。
手元にホワイトボードマーカーがある場合は、汚れを上からなぞり、クリーナーでいつも通り消してみてください。ホワイトボードマーカーは成分に剥離剤(はくりざい)が入っているのが特徴。油性マーカーで書いた部分を上から塗りつぶすことで、油性部分をうまく剥がしてくれます。
・または ホワイトボードマーカー
応急処置しても油性ペン汚れが落ちないときはクリーニング依頼
「自分ではどうしても汚れが落ちないけれど諦めきれない」という場合、クリーニング業者に一度相談してみるのもよいでしょう。
持ち込んで落とせるかどうか見てもらうほかに、忙しい方は自宅まで集荷に来てもらえる宅配クリーニングという手もあります。
汚れ落としではなく「しみ抜き」扱いになる場合も考えられるので、メニューにあるかどうかや料金の見積もりを確認するのがおすすめです。
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【Q&A】油性ペンの落とし方に関連する質問
Q. 油性マジックペンは何で落ちる?汚れの消し方は?
A. 素材によって適したものは異なりますが、下記のアイテム一例が役立つかもしれません。
・除光液
・エタノール(無水や消毒用)
・アルコール入りウェットティッシュ
・液体洗剤
・日焼け止め
・みかんの皮
・消しゴム
・場合によってはホワイトボードマーカー など
相性が悪いと素材を傷めることや汚れを悪化させることもあるため要注意。詳しい落とし方は本記事の内容も参考にしてみてください。
Q. 油性マジックはエタノールで落とせる?
A. 素材によりますが、無水エタノールや消毒用エタノールで落とせる可能性があります。
壁紙や床、ビニールや金属などには試してみる価値あり。ただしビニールや溶けやすい素材、表面の塗装が剥がれやすい素材の場合、傷めてしまうことが考えられます。
はじめは目立たない範囲で少しずつ、様子を見ながら汚れ落としを行いましょう。
Q. 油性ペンをすぐに落とす方法はある?
A. 服や肌など落としやすいものであれば、クレンジングオイルや除光液で落とすのがおすすめです。
本記事で紹介した、汚れを落としやすい素材と落ちにくい素材の表も参考にしてみてください。
Q. 時間が経った油性ペンの汚れは落ちる?
A. 汚れてから時間が経てば経つほど、素材に染み込んで落ちにくくなってしまいます。
本記事内の検証実験では、汚れ付着から30分経過した場合と1時間放置してしまった場合の違いを解説。できるだけ早めに対処したいところですが、すぐには難しい場合やどうしても落ちない場合は、クリーニング(しみ抜き)できるか相談してみるのもひとつの手です。
Q. 油性ペンの落とし方の裏ワザは?
A. 汚れたらすぐに対応しましょう。汚れの性質を理解し、油分を浮かせて落とすのがコツです。
油性マーカーには樹脂や定着剤が含まれているため、落としにくいのが特徴。顔料インクが使われている場合はさらに速乾性や耐水性があり、素材に染み込んでしまったら落とすのが難しくなります。
汚れが付着したらすぐに対処し、水ではなく油と混じりやすいものを使って落とすのがポイントです。
Q. 油性ペンと一緒に洗濯してしまったらどうしたらいい?
A. ペン汚れが狭い範囲なら、除光液やクレンジングオイルを使って落とせるかもしれません。
広範囲にわたる場合や、色が抜け落ちてしまいそうな素材の洋服の場合は、無理に自分で落とすことをせずクリーニング業者に相談するのがおすすめです。
油性ペンやマーカー汚れの落とし方を覚えておこう
油性マジックペンや油性マーカー、油性ボールペンなどがついてしまったら、まずはすぐに落とすことが大切です。
「子どもが落書きしてしまった」「シャツにボールペンのインクが染みてしまった」という場合も、時間が経つほど汚れが定着してしまうため、家にあるもので応急処置を行いましょう。
ただし、素材によってはキズやシミになってしまったり、汚れが広がったりしてしまうこともあります。時間が経った汚れやどうしても落ちない汚れはクリーニングできないか相談するのも手。本記事も参考に対処法を覚えておきましょう!